「サ高住」、規制強化へ

2015年04月21日
法律事務所ホームワン

厚生労働省は、介護が必要な高齢者が多く暮らす賃貸住宅「サービス付き高齢者向け住宅」への指導を強化する方針を決めました。同住宅は、過剰な介護サービスの押しつけなどが指摘されていました。同省は、老人福祉法に基づく新たな指導指針を自治体に示し、事業者に報告を義務付けさせるほか、自治体による立ち入り調査も可能にするとし、7月から実施するとのことです。

※参照
2014年4月19日 読売新聞
高齢者向け住宅、指導強化へ…「過剰介護」指摘

(評)
高齢の単身者や夫婦のみの世帯が増加しています。高齢者向け住宅提供も重要ですが、高齢者の生活の質を確保するため、介護や医療との連携も必要になります。こうしたニーズにこたえようというのが、このサービス付高齢者向け住宅、通称「サ高住」です。
平成23年に「高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)」が、厚労省、国交省の共管で成立し、都道府県知事への登録制度がその中心をなしています。
補助金というニンジンをぶら下げ、サ高住の設置を働きかけるとともに、設置基準を設け、質の確保を図っています。登録を受ければ、新築の場合建築費の10分の1まで、デイサービス等の生活支援施設の併設には最大1000万円の助成を受けることができるという、かなり手厚いものです。
登録基準として、ハード面では床面積が原則25㎡以上、便所・洗面設備等の設置、バリアフリー等があり、ソフト面では少なくとも安否確認・生活相談サービスを提供することなどが要求されています。契約書は、高齢者の居住の安定が図られていること、前払家賃等の返還ルール及び保全措置が講じられていることが要求されています。
補助金の影響は大きく、高齢者住まい法が施行されてから、約3700事業者が約17万戸を提供しています。
ただ、サ高住は、介護事業者が、事業の多角化のため、手がけることが多く、介護事業収入を増やすための顧客の囲い込み利用されているきらいがあります。過去に問題となった例では、「契約時に、要介護度に応じて設定されている限度額いっぱいまでの介護サービスの利用を入居の条件としていた」「入居者全員が併設の介護事業所を利用しており、半数は毎日通っている。」等があるということです

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹