事前求償権に基づく仮差押は、事後求償権の時効中断事由になるとの新判例

2015年02月23日
法律事務所ホームワン

「事前求償権を被保全債権とする仮差押えは,事後求償権の消滅時効をも中断する効
力を有する」とする最高裁判決が2月17日に出ました(平成24年(受)第183
1号 求償金等請求事件・第三小法廷)。

信用保証協会が、1)A社のB銀行借入を保証、2)代位弁済実行前に、事前求償権に基
づきA社の不動産を仮差押え、3)B銀行に代位弁済、4)中断措置をとらないまま、時
効期間徒過、5)その後A者に事後求償権に基づき提訴、という事案です。
通常保証人は、保証債務を主債務者の代わりに支払って(代位弁済)から、主債務者
にその支払い金を自分に払うよう請求する(求償権)するのが一般的です。しかし、
代位弁済は通常3回の遅延を待って行うのが普通で、その前に主債務者が財産処分を
しかねないような場合は、代位弁済前に、「近いうち代位弁済するから、その前にそ
の弁済資金を前渡ししろ」ということができます。これが事前求償権と呼ばれるもの
です。
最高裁は「事前求償権は,事後求償権と別個の権利ではあるものの,事後求償権を確
保するために認められた権利であるという関係にあるから,委託を受けた保証人が事
前求償権を被保全債権とする仮差押えをすれば,事後求償権についても権利を行使し
ているのと同等のものとして評価することができる。また,上記のような事前求償権
と事後求償権との関係に鑑みれば,委託を受けた保証
人が事前求償権を被保全債権とする仮差押えをした場合であっても民法459条1項
後段所定の行為をした後に改めて事後求償権について消滅時効の中断の措置をとらな
ければならないとすることは,当事者の合理的な意思ないし期待に反し相当でな
い。」として、上記判決をしています。

※参照
平成27年2月17日 最高裁判所第三小法廷判決

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹