事業承継の実情

2015年01月28日
法律事務所ホームワン

東京商工会は、平成26年7月に東京23区内中小事業者5000社を対象に行った
「事業承継の実態に関するアンケート調査」の結果を1月19日付で公表しました。
概要は次の通りです。

【後継者(候補)はいるか】
後継者がいる36%、後継者候補がいる25%
後継者は決まっておらず候補もいないが、事業は継続したい15%

【候補者は誰か】
後継者(候補)は、息子、娘が合計で59%、その他親族が14.1%
親族以外の役員・従業員が19.7%、社外からの登用が3.3%

【事業承継の時期】 
1~3年8.9%
3~5年32.7%
5~10年21.5%

【事業承継税制を知っているか、利用はしているか】
「知っている」が23.5%、「名前は聞いたことがある」が30.3%、「知らない」が
39.1%
制度を「利用している」が5%、「準備している」が4.6%

※参照
東京商工会議所 事業承継の実態に関する調査研究会
「東京23区内企業の事業承継の実態に関するアンケート調査 報告書」

(評)
親族外の役員、従業員への承継を考えているが19.7%と相当数いますが、事業承継税制は親族承継が前提のため、この面での国の支援策が必要でしょう。
さらに、後継者はいないが、事業は承継したいという社長が15%いるのに、「M&Aによる売却を考えている」社長は2.1%しかいません。M&Aというと、大手企業の専売特許のように思われている方もいますが、むしろ中小企業にこそ必要な制度です。そのあたりの理解がまだ進んでいないように思います。
事業承継税制を利用している、利用を準備しているは10%弱ですが、私は10%「しかない」ではなく、10%も「ある」というのが実感です。事業承継税制は使いにくいという声が多く、もっとこの数字は低いものと思っていました。しかし、平成27 年1月から要件の緩和等が措置されるため、利用に向けた動きはもっとあってほしいと思います。
約半数の中小企業で今後5年以内に経営者を交代したいと考えているようですが、事業承継は10年単位で考える問題です。スピード感が必要だと思います。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹