15年税制改正大綱、30日に発表へ

2014年12月26日
法律事務所ホームワン

政府・党は、以下の内容を12月30日発表の15年税制改正大綱に盛り込む予定。

1 海外に移住する金融資産1億円超の富裕層の株式の含み益に、所得税などを課税する仕組み。来年7月導入。
2 国境を超えるインターネット取引への消費税課税を実現。来年10月導入。
3 住宅ローン減税を19年6月末まで1年半延長。限度額を現在の1000万円から1500万円に引き上げ。
4 研究開発費の一定割合を法人税額から差し引ける上限を今の30%から25%に引き下げ。

(評)
1は金融資産の売却益に課税しないシンガポールや香港、スイスなどに移住する富裕層が増えていることに対抗したもの。武富士の元会長から長男が受けた株の贈与をめぐる課税問題で、最高裁は11年2月18日、今回の改正のきっかけとなる判決を下した。元会長は、海外居住者への在外財産の贈与は課税対象外となることを利用、長男を香港に3年半住まわせた上で(実際も同長男は3分の2の期間を香港に居住していた)、巨額の株式を贈与した。国税庁は、「居住目的が租税回避策にある以上は、住所は日本にあるといえる」として、長男に贈与税を課税したが、最高裁は「香港滞在が課税回避目的でも、生活の本拠が香港にあったことは否定できない」として、長男を勝たせた。

2は、現状では、海外からネットで日本に配信される電子書籍や音楽に対し、課税ができていないことに対応したもの。既にOECDが同様の方針を示していた。

3は、消費税増税後、不動産取引が激減、不動産業者、建設会社の経営に打撃を与えていることに対する対控訴値。国交省は3000万円とする案も出している。

4は、最近の中小企業等の景気の低迷に対する対抗措置。開発減税には、研究開発費総額の一定割合を法人税額から差し引く「総額型」、研究開発費を増やした企業の法人税額を減税する「増加型」、売上高の10%を超える研究費の一部を控除する「高水準型」があるが、上記は総額型に対応するもの。研究開発費減税の大半をこの総額型がしめている。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹