予備自衛官雇用企業を入札で優先 防衛省、総合評価落札方式を利用して

2014年12月05日
法律事務所ホームワン

雇い入れに積極的な企業への優遇策は、予定価格が6億円未満で業者選定に「総合評価落札方式」を使う公共工事を対象とする。
新制度は予備自衛官や即応予備自衛官の雇用実績を加点要素に加える。
対象となる工事は14年度で約750件に上る見込みで、中堅・中小の建設業者が落札するケースが多い。
予備自衛官の雇い入れはこうした分野の企業が目立ち、防衛省は雇用の受け皿拡大に効果があるとみる。

※参照
2014年11月29日 日本経済新聞 夕刊
予備自衛官の雇用促す 防衛省が増員策、公共工事で配慮

(評)
総合評価落札方式という入札方法が最近広く行われている。
公共工事の品質確保に関する法律第8条第1項は、「適正な額の請負代金での下請契約の締結に努めなければならない。」と定めている。要は、金額だけで落札者を決めると、技術のない分、工事費の安さで勝負する業者が落札することになってしまう。総合評価落札方式は、入札の際、価格だけでなく、技術も評価し、公共工事の品質を確保しようという考え方に基づいている。そのため、通常の入札と異なり、入札後落札までの間に技術審査が入ってくる。コンペ方式ともいわれる企画競争方式と一見似ているが、企画競争方式は随意契約であるため、これとも異なる。
しかし、最近、総合評価落札方式の趣旨が拡大され、技術的要素だけではなく、政策的要素までが取り込まれるようになった。本件は、制度の拡大という意味ではトップランナーに近い。ここまでやっていいのかという疑問さえある。

(参考)
公共工事の品質確保に関する法律
第8条
1 公共工事の受注者は、基本理念にのっとり、契約された公共工事を適正に実施し、下請契約を締結するときは、適正な額の請負代金での下請契約の締結に努めなければならない。
2 公共工事の受注者(受注者となろうとする者を含む。)は、契約された又は将来施工することとなる公共工事の適正な実施のために必要な技術的能力の向上並びに技術者、技能労働者等の育成及び確保並びにこれらの者に係る賃金その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の改善に努めなければならない。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹