経産省調査報告 中小企業の約半数が原材料・エネルギーコストを転嫁できず

2014年11月28日
法律事務所ホームワン

経済産業省が11月21日付で「ここ1年の中小・小規模企業の経営状況の変化について」の調査結果を発表した。調査は平成26年10月、全国の商工会、商工会議所、中央会を通じて中小・小規模企業1,414社に行われた。以下は何れも1年前と比べた数字になる

1)売上高、経常利益の状況
・売上高
増加した 49.9%
減少した 34.5%

・経常利益
増加した 38.8%
減少した 47.6%

・経常利益増加企業の増加の要因
売上高の増加が76.0%

・経常利益減少企業の減少の要因
原材料・エネルギーコスト 62.9%
売上高 54.0%でした。

2)原材料・エネルギーコストの状況
8割超の企業で1「増加した」との回答

3)原材料・エネルギーコスト増加の経常利益への圧迫の程度
4割近い企業 10%以上
3割近く   5%未満

運輸業、基礎素材型製造業、生活関連型製造業、サービス業等が圧迫の程度が比較的大きく卸売業、加工組立型製造業、小売業では、圧迫の程度が比較的小さい

4)足下の原材料・エネルギーコスト増加の商品・サービスの販売価格への反映状況
約半数の企業が、現時点将来ともに「ほとんど反映できていない」、「まったく反映できていない」と回答
「ほとんど反映できている」と回答した企業の割合は14.8%
傾向的には消費者向け事業の場合に反映できていない傾向がある。

(評)
近時の円安で、原材料・エネルギーコストの増加が顕著となっている。半数を超える中小・小規模企業で価格転嫁が困難な状況となっており、それが経常収益の悪化につながっている。消費税転嫁対策特措法に基づき消費税の転嫁状況の監視・取締りを行う全国474 名の転嫁Gメンが立入検査を行う際、原材料・エネルギーコスト増加分の転嫁状況についても厳正に確認し、下請代金法と連携して対処する方針という。
政府は、円安に苦しむ中小企業の資金繰り対策を早急に講じる必要がある。資金的余裕がない中小企業は、急な円安があると、資金繰りに支障をきたしかねない。
日銀の異次元金融緩和、米国の利上げ観測等を見ると、円安は当分続くと見る必要がある、資金計画を見直し、資金ショートがありえないかどうか早急に見直す必要がある。現金で用意できる金額がどのくらいかも見極め、万全を尽くす必要がある。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹