IFRS のれんの減損処理方法見直しの可能性

2014年09月11日
法律事務所ホームワン

「国際会計基準審議会(IASB)が「のれん」の会計処理を見直す可能性が出てき
た。」「(日本のように)定期的に償却していくか、より早く減損を認識するのかな
ど慎重に検討していく」として、「IASBのハンス・フーガーホースト議長が日本経済
新聞の取材で明らかにした。」

※参照
2014年9月6日 日本経済新聞
「「のれん」会計、見直しも 国際会計基準 前倒し処理しやすく 持ち合い株売却は最終損益に計上」

(評)
例えばA社がB社の事業を1000億円で買収したが、B社の当該事業の資産の簿価は600億円でしかなかったとする。この差額の400億円が「のれん」だ。企業の価値はその資産にではなく、そのビジネスの収益力にある。収益力は将来の資産を生みだすが、現状簿価ではゼロだ。この収益力の価値が「のれん」である。
こういったとき「のれん」が発生するのは日本の会計基準もIFRSも違わない。しかしその先が大きく異なる。日本の会計基準では、のれんを毎年一定の額で費用にし、最長20年で残高をなくすことになっているが、IFRSは特に償却はせず、買収先の価値が下がった場合には、一括して損失を計上し、のれんを減らす減損処理を求めている。
しかしIFRSによる「のれん」の扱いも欠点がない訳ではない。企業によっては、「のれんの過払巨額の損失が一気に表面化する例も出ている。」(前述記事)。同議長は前記インタビューで「減損処理のタイミングが遅すぎる。のれんがあまりにも多く残っている」として、IFRSの問題を指摘するとともに、「最長20年という期間は長すぎる。定額であることに合理的な理由もみつけにくい」として、日本の会計処理の問題も指摘し、「(日本のように)定期的に償却していくか、より早く減損を認識するのかなど慎重に検討していく」として、IFRSと日本かの会計基準への歩み寄りの可能性を示唆した。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹