企業法務コラム

起業準備中も失業手当

厚生労働省が22日、「求職活動中に創業の準備・検討をする場合」を失業手当の給付対象にするとの通達を出した。全国544か所のハローワークが運用を見直すよう周知し、早ければ月末には起業準備中の人も手当をもらえるようになる。
単に起業を準備しているだけではなく、並行して求職活動もすることが給付の条件となる。
失業手当の給付は最長で1年間。会社を設立すると起業準備を終えたとみなして給付を打ち切る。

※参照
2014年7月24日 日本経済新聞
「起業準備中も失業手当 政府、収入の不安解消」

(評)
自営業の開始又は自営業開業の準備行為を行った場合は失業手当は打ち切られてしまう。労働保険審査会の裁決には「請求人が自営業の開業に必要な事業許可を受け、また、自営業を開業するか否かを判断するための情報収集行為を行っていた段階では、いまだ請求人は自営業の開始又は自営業開業の準備行為を行ったものとは認められないとして、「失業」の状態に該当しないから基本手当を支給しないとした原処分を取り消した」ものもある(平成15年雇第6号)が、さらに事務所を探したりすれば、準備行為とみなされる可能性もある。そもそも「準備」という概念が多義的で、その意味するところの範囲が明確でない。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/roudou/06/koyou/txt/05.txt
準備・検討をしただけであれば、失業保険の給付を打ち切られないとしたの大きな一歩であろう。しかし、それと並行して求職活動をすることも給付の条件とするというのは、いかにも中途半端だ。また、起業を意図する人が迷わなくて良いように、ガイドラインを示す等の配慮も望まれよう。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2014年08月06日
法律事務所ホームワン