企業法務コラム

食品機能表示 体の部位別に

消費者庁の有識者検討会は18日、食品の成分が体にどのようによいかを示す新たな「機能性表示」の報告書案をとりまとめた。企業が健康への効果を実証すれば、企業の責任で体の部位ごとに効能を表示できるようにする。
制度は今年度末までに導入する方針で、今後、生鮮品、加工食品、サプリメントなど原則、全食品が対象だが、病気の治療・予防効果の表示は認めず、維持・増進の範囲に限って「肝臓の働きを助けます」「目の健康をサポートします」といった形で、体の具体的な部位を挙げた表記ができる。
表示にあたっては、企業が販売前、科学的根拠を立証した論文や製品情報などを消費者庁に届け出ればよく、国の審査による許可は必要ない。

※参照
2014年7月19日 日本経済新聞
「食品の機能表示を体の部位別に 消費者庁、14年度内に新制度」

(評)
食品の機能性表示が現在認められているのは、国の許可が必要な特定保健用食品(トクホ)と、国の許可は不要だが対象が加工食品とサプリメントに限られる栄養機能食品の二つである。薬事法では「身体の構造または機能に影響を及ぼすもの」は医薬品にあたる。健食は身体の部位を表示すると医薬品とみなされる可能性が高いため、身体の部位に言及した表示を認めるかどうかが論議されたが、これも認められることになった。
行政は通常、こうした規制を加えるときは、国が認証した第三者機関に審査・許可をさせるのに、今回は民間検査機関でも良いこととなった。第三者機関をつくれば、役人の天下り先になるため、第三者機関を作らない方針には大いに賛成する。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2014年08月04日
法律事務所ホームワン