パートタイム法改正

2014年04月30日
法律事務所ホームワン

パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)の一部を改正する法律が、4月23日に公布された。パートタイム労働者の公正な待遇を確保し、正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲を拡大するとともに、パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主による説明義務の新設等を行うもの。今後施行規則、ガイドライン等を整備したうえ、1年内に施行される予定。

改正内容は以下の通りとなる。

1.正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム (強制)
労働者の対象範囲の拡大
正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者については、これまで、(1) 職務内容が正社員と同一、(2) 人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一、(3) 無期労働契約を締結しているパートタイム労働者であることとされていたが、改正後は、(1)、(2) に該当すれば、有期労働契約を締結しているパートタイム労働者も正社員と差別的取扱いが禁止される。

2.「短時間労働者の待遇の原則」の新設 (努力義務)
事業主が、雇用するパートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとする、広く全てのパートタイム労働者を対象とした待遇の原則の規定が創設される。
改正後は、パートタイム労働者の待遇に関するこうした一般的な考え方も念頭に、パートタイム労働者の雇用管理の改善を図っていただくこととなる。

3.パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主による説明義務の新設(強制)
事業主は、パートタイム労働者を雇い入れたときは、実施する雇用管理の改善措置の内容について、説明しなければならないこととなった。
例 賃金制度はどうなっているか
どのような教育訓練や福利厚生施設の利用の機会があるか
どのような正社員転換推進措置があるか など

4.パートタイム労働者からの相談に対応するための事業主による体制整備の義務の新設(強制)
事業主は、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならないこととなった。
この他、虚偽報告等に対する過料や、厚生労働大臣の勧告に従わない企業名の公表制度の創設等の改正が行われる。

(評)
同一労働同一賃金は法律上要求されていない。労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由としての差別的取り扱いの禁止、あるいは、労働者が女性であることを理由として、賃金差別をしてはならないとしている。改正前の法でも、パートタイマーについての差別的取扱い禁止規定はあったが、契約期間の定めのない場合に限られていた。実際、殆どのパートタイマーが契約期間があるため、法律が適用されることは殆どなかった。今回の改正で、契約期間の定めのある短時間労働者についても、差別的取り扱いが禁止されることになった。差別的取り扱いで一番重要なのは賃金だろう。これまでな漫然とパートタイマーの賃金を低く抑えてきた企業も、「あなたは正社員と比べてこのレベルの仕事をしていないから、この賃金なんだ。」ということをパートタイマーに説明できなければならないことになる。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹