欠損金制度 政府税調が控除期間延長を議論

2014年04月07日
法律事務所ホームワン

政府税制調査会は31日、企業の税務上の赤字(欠損金)を翌期以降の黒字(課税所得)と相殺できる繰越欠損金制度を見直す議論を始めた。
欠損金を繰り越せる期間を延ばす代わりに、控除額を縮小する案が出ている。

※参照
214年4月1日 日本経済新聞 
「政府税調、繰越期間の延長検討 欠損金制度 控除額は縮小」

(評)
法人税には繰越欠損制度という制度がある。
赤字=欠損金を、翌期以降の黒字(課税所得)と相殺できる税務上のルールである。例えば1000万円の赤字が出た翌期に400万円の黒字になっても、前期の赤字と相殺して納税せずに済む。なお600万円の赤字が未相殺のまま残っているため、さらに翌年度黒字が出ればこれと相殺できる。赤字がなくなるまで、9年間これを続けられることになっている。
以前は5年だったが、平成16年改正で7年に延び、平成23年改正で9年に延びた。なお、平成23年改正ではもう1点改正があり、従前は全額控除できていたのが、大企業については8割となっている。
ただ、これ政府税調の議論。政府税調のほかに党税調があり、党税調は党税調で意見があるかもしれない。安倍政権は、政府税調が主導して法人税減税の議論を重ねているが、財務省は財源確保の見地から、特措法による優遇税制の廃止等も検討されている。政府税調は、欠損期間を延ばす代わりに、控除額を縮小することでバランスを取ろうとしているのかもしれないが、財務省としては、簡単に応じないかもしれない。さらに党税調も一言意見があるだろう。

※各国の繰越欠損金制度
・日本…繰越期間  9年、控除上限 全額(大企業は8割)
・米国…繰越期間 20年、控除上限 全額
・英国…繰越期間 無制限、控除上限 全額

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹