企業法務コラム

東京都14年度予算案 中小対策6.8%増に

東京都が2月18日に発表した2014年度当初予算案は、一般会計が前年度比6.4%増の6兆6667億円になった。舛添要一知事が就任後、追加事業として中小企業の国際展開を支援する東京発「クールジャパン」の推進などを盛り、計77億円を計上した。
中小企業対策費は同6.8%増の3933億円と手厚い内容。特別・公営企業会計を加えた全会計は同10.4%増の13兆3394億円になった。予算案は26日に開会する都議会に提出する。
舛添知事は知事査定で、東京オリンピック・パラリンピック開催準備費の100億6800万円のほか、幹線道路の整備、成長分野に進出する中小企業を支援するファンド創設(200億円規模)などを了承。福祉・保険関係は同4.1%増の1兆614億円と2年連続で1兆円を超えた。

※参照
2014年2月19日 J-NET21中小企業ビジネス支援サイト
「東京都の14年度予算案、一般会計6兆6667億円-中小対策6.8%増に」

(評)
成長分野に進出する中小企業を支援するファンド創設(200億円規模)とは、いかなるものか。現在東京都中小企業振興公社が「東京都地域中小企業応援ファンド」という制度を作って、都市課題解決型ビジネス(東京の地域課題の解決)、地域資源活用型ビジネス(東京の地域資源の活用)についての中小企業者等のビジネスプランに対して助成金を交付している。
しかし、舛添さんが考えているのは助成金を使った制度ではなく、エンジェル・ファンド的なものを考えているのではないか。200億円とあるが、都が出捐するのは2億円か10億円程度で、残りを民間出資を誘うための呼び水的効果を狙っているのではないか。
ちなみに、現在東京都中小企業振興公社が行っている助成事業には次のものがある。

・展示会等出展支援助成事業
・新製品・新技術開発助成事業
・商店街パワーアップ基金事業
・市場開拓助成事業
・ものづくり産業基盤強化グループ支援事業
・連携イノベーション促進プログラム助成事業
・海外展開技術支援助成事業
・地域資源活用イノベーション創出助成事業(地域中小企業応援ファンド)
・小売商業後継者育成・開業支援事業

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2014年02月24日
法律事務所ホームワン