企業法務コラム

グレーゾーン解消制度による認定第1弾

政府は1月に施行した産業競争力強化法が定める「グレーゾーン解消制度」による認定の第1弾として、月内にも日産自動車が開発する緊急停止システムやコナミスポーツ&ライフによる運動指導などを適法と認める。
日産は、ドライバーが心臓発作などの緊急時に車をコンピューター制御で側道に止める自動停止装置を開発する方針だ。ただ、装置を付けた車が道路運送車両法が定める車検基準に合うか不透明だった。このため経済産業省と国土交通省が連携し、車検の対象になるとの解釈を前もって示す。
コナミは、生活習慣病を防ぐための運動指導が医師法が禁じる医療行為にあたる範囲を明確にするように政府に求めていた。経産省や厚生労働省は、医師の診断書をもとにした指導は医療行為に当たらず適法とする解釈を示す見通し。

※参照
2014年2月5日 日本経済新聞
「「規制のグレーゾーン」不透明な解釈、事業化阻む」

(評)
グレーゾーン解消制度とは、新規事業が規制に抵触するか曖昧だった分野(グレーゾーン)について、担当官庁に、新事業に規制がかかるかどうか事業を始める前に確認できるようにした制度。企業が開発費用をかけて、いざ新規事業を始めたら、法律に抵触するとして事業を廃止せざるを得ないとなると、企業は新規事業に二の足を踏むことになる。技術革新や市場開拓に動く環境を整える。
手続きは1ヶ月と比較的短期ですむ。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2014年02月14日
法律事務所ホームワン