企業法務コラム

外借主負担DIY型賃貸契約で空き家解消を

国土交通省は1月30日、個人住宅の空き家増加の抑制を目的とする、「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会」の第4回会合を開いた。個人住宅の賃貸流通を促進するための指針の骨子案をとりまとめた。
骨子案では、国の施策についての「取り組み推進ガイドライン」、民間の実務についての「契約ガイドライン」を設定。「契約ガイドライン」は、さらに「賃貸借ガイドライン」と「住宅管理ガイドライン」から構成される。
「取り組み推進ガイドライン」では、空き家の所有者(貸主)に対する支援と、利用者(借主)に対する支援を整理、それぞれ、取り組み方を都市部と地方部に分けた。
「賃貸借ガイドライン」では、主に地方部を対象とする「借主負担DIY型」を新設した。
「住宅管理ガイドライン」では、空き家管理サービスなど空き家の管理に特化した契約等のこれからの方向性を示した。

※参照
住宅新報2014年2月4日

(評)
地方では家賃も低く、空室率も多い。そんな地方で、老朽化した一戸建てをリフォームして賃貸に出すとなると、かなりのリスクを伴う。ことに、銀行融資を得てリフォームをしたとなれば、そのリスクはさらに大きなものとなる。そうした家主の不安を解消しようというのが、この借主負担DIYだ。DIYとは「Do it yourself」(ホームセンターでDIY売り場と言えば日曜大工用品売り場のこと)。
要は、借主が自分の金銭負担で自由に模様替えをし、その代わり、貸主は安い賃料で、長期間家を貸し出すというもの。借主は原状回復義務もなく、借主がリフォーム後の物件を貸しに出すことができる。造作買取請求権を放棄、ないし軽減させるかといった点で、議論する必要があるが、一つのアイデアと言えよう。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2014年02月14日
法律事務所ホームワン