企業法務コラム

三菱マテリアル四日市工場爆発事故 マニュアル作成が事故の原因

1月9日、三重県四日市市三田町の石油化学製造「三菱マテリアル」四日市工場で爆発があった。同社社員ら男性作業員5人が死亡。爆発したのは、円筒形で金属製の熱交換器で、1~2年ごとに、チューブ内に付着する不要な無機化合物を取り除く作業が行われるが、午前中に一方のふたを取り外し、午後もう一方を取り外した数秒後に爆発した。熱交換器内に残留するトリクロロシランは引火性が高く、これが爆発したものと思われる。

※参照
2014年1月9日 毎日新聞
「<四日市工場爆発>死亡の5人即死状態 熱交換器洗浄作業中」

(評)
今年に入ってから、労災による死亡事故が目立つ。原因は様々だ。
四日市市の事故だが、その後の報道で、同工場では、全くマニュアルを作っておらず、しかも、機器は使わず、素手で熱交換器に触り「十分冷えているかどうか」で判断し,大丈夫となればふたを開けていた。専門家は、「ふたを開ける前に圧力計や温度計を使い、中に圧力が残っていないことを確認する。ふたに付いている小さなバルブを開けてみるなどの確認をするのは常識だ」と話し、具体的マニュアルに基づいた安全確認が重要だと話している。

※参照
2014年1月11日 毎日新聞
「<工場爆発>熱交換器は特注品 マニュアル、納入時求めず」

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2014年01月23日
法律事務所ホームワン