企業法務コラム

連合、ベア5年ぶり要求 中小労組は9500円

連合は12月3日、都内で中央委員会を開き、月給の1%以上のベースアップ(ベア)要求や中小企業の労働組合は9500円を目安に賃上げを求める平成26年春闘方針を正式決定した。連合のベア要求は5年ぶり。
今後、自動車総連や電機連合など傘下の産業別労組が方針を決め、その後各企業の労組が具体的要求を決定。経団連も交渉指針「経営労働政策委員会(経労委)報告」をまとめ、1月下旬から労使の交渉が本格化する。
連合の方針では、定期昇給(定昇)分として月給の2%を確保した上で、ベア1%以上を要求。非正規労働者は時給で30円、月額換算で約5000円の賃上げを要求する。中小の9500円の内訳は、定昇相当分が4500円、ベア分が5000円。ベア分は中小に勤める労働者の平均月給の2%程度に当たる額という。

(評)
ベースアップと定期昇給。その違いが分からないという人がいる。言葉で説明しても分かりにくいので、具体例をあげよう。
昨年度から月額基本給が次のように上がったとする。
30歳 25万円→25.5万円
31歳 26万円→26.5万円
この場合
ベースアップ=ベアはアップは、次のようにアップしていることになる。
30歳については、ベアが昨年度に比べて5000円上がった、
31歳については、ベアが昨年度に比べて5000円上がった、ということになる。
定期昇給=定昇は、次のようにアップしていることになる。
30歳の従業員を例にとると、昨年度、今年度とも1万円の増額で変わらない。
30歳の従業員が31歳になると、基本給が25万円から26.5万円に上がるが、うちベア分が5000円、定昇分が1万円アップしたということになる。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2013年12月05日
法律事務所ホームワン