「ブラック企業」対策へ離職率公表

2013年12月04日
法律事務所ホームワン

新年度から、若者に過酷な労働を強いる「ブラック企業」対策で、厚生労働省は来年度からハローワークを通じて大学生や大学院生を採用する企業に対し、離職率の公表を求めることを決めた。
2015年春の大卒、大学院卒らに向けた求人票から、過去3年間の採用者数と離職者数の記入欄を設ける。記入は強制ではない。

※参照
2013年12月2日 読売新聞
「「ブラック企業」対策へ離職率公表…新年度から」

(評)
厚労省は9月を「過重労働重点監督月間」とし、若者の使い捨てが疑われる企業、いわゆるブラック企業を念頭に置き、集中的に監督指導等を行い、同月1日には無料電話相談を行った。同相談では、全国で1042件の電話相談があり、賃金の不払い残業が556件、長時間労働・過重労働が414件、パワーハラスメントが153件という内訳だった。
ブラック企業は早期退職が続出することを見越して若者を大量採用するのが特徴で、離職率は有力な判断材料の一つとなる。求人票への離職率の記載は強制ではないが、離職率の記載がないとブラック企業とみなされる、就職希望者から敬遠されるという事実上の効果が期待できる。
厚労省は、安全衛生に関する優良企業を評価・公表する制度の推進事業を、平成26年度予算で概算要求している。労働保険特別会計の労災勘定から2000万円の予算を予定している。検討会を設け、企業の労働環境水準を評価するための客観的基準を策定。企業が自社の労働環境水準を自己診断できるようにするためのコンテンツを作成し、ウェブサイトで公開。企業がこうした自己診断をもとに、優良企業認定を申請。こうして、HPアクセス数を10,000件以上、年間の認定企業数100社を目標としている。既に実施している「若者応援企業」宣言事業を発展させたものと言えそうだ。
さらに厚労省では、ブラック企業の企業名の公表制度も検討している。既に、障害者雇用促進法、雇用機会均等法では、公表制度が設けられており、立法へのハードルは低く、立法される可能性も十分ありうるだろう。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹