外国公務員への贈賄

2013年09月13日
法律事務所ホームワン

中国での事業展開にあたり、地方政府幹部に賄賂を渡していたとして、愛知県警捜査2課は11日、トヨタ系列の自動車マフラー最大手「フタバ産業」(愛知県、東証1部)の元専務(68)を不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)の容疑で逮捕した。県警は会社の関与を調べるとともに、元専務が多額の現金を使い、ほかの公務員に対しても賄賂工作をしていた可能性があるとみて捜査を進める。

※参照
2013年9月11日 朝日新聞デジタル
「フタバ産業元専務を逮捕 中国の公務員へ贈賄容疑」

(評)
外国公務員贈賄防止条約を日本は批准しており、これに基づき98年に不正競争防止法が改正され、外国公務員に対する贈賄禁止規定が設けられた。
同法18条1項は「何人も、外国公務員等に対し、国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るために、その外国公務員等に、その職務に関する行為をさせ若しくはさせないこと、又はその地位を利用して他の外国公務員等にその職務に関する行為をさせ若しくはさせないようにあっせんをさせることを目的として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をしてはならない」とし、これに違反した場合5年以下の懲役、500円以下の罰金のどちらか、または、その両方が科される。
刑法上の贈収賄罪は、日本の公務員に対するものを罰しているだけなので、あらたは法改正が必要だったのである。
18条1項は、単純収賄行為を罰していないし、不正利益目的が要件として加わっていたりと、国内の贈収賄罪の規程とは異なるところが多々あるため、注意を要する。
米国内に営業拠点を置いている企業は、外国法人であっても(すなわち日本法人であっても)、外国公務員に贈賄した場合、FCPAという連邦法により、処罰されるのでこちらも注意が必要だ。会社の場合には200万ドル以下の罰金、個人の場合には5年以下の禁固もしくは25万ドル以下の罰金またはその併科、あるいはこれに代えて、違法行為で得た利益または与えた損害の2倍額相当の罰金を科されることがある。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹