商業地、住宅地とも地価上昇広がる

2013年08月30日
法律事務所ホームワン

国土交通省は、8月27日、平成25年第2四半期(H25.4.1~H25.7.1)主要都市の高度利用地地価動向報告~地価LOOKレポート~を発表した。概要は次の通り。

1.概況
主要都市・高度利用地150 地区中、上昇が99 地区(前回80)、横ばいが41 地区(前回51)、下落が10 地区(前回19)となり、上昇地区が増え、全体の約3 分の2 を占めた。
三大都市圏の大半の地区で上昇を示すなど、従来の下落・横ばい基調から上昇基調への転換が広範に見られる。

2.圏域別
●三大都市圏(118地区)
・東京圏(65地区)
上昇45(前回38) 横ばい16(前回20) 下落4(前回7)→約3 分の2 が上昇
・大阪圏(39地区)
上昇25(前回24) 横ばい14(前回15) 下落0→下落地区がなくなった
・名古屋圏(14地区) 上昇14(前回 7)→すべての地区が上昇
●地方圏(32地区)
上昇15(前回11) 横ばい11(前回9)、下落6(前回12)
三大都市圏ほどではないが、下落が上昇を大きく上回り、上昇基調となっている。

3.用途別
・住宅系地区(44地区) 上昇31(前回26) 横ばい11(前回15) 下落2(前回3)
→70.4%が上昇、下落は4.5%
・商業系地区(106地区) 上昇68(前回54) 横ばい30(前回36) 下落8(前回16)
→64.2%が上昇、下落は7.5%

※参照
国土交通省ホームページ
平成25年第2四半期主要都市の高度利用地地価動向報告~LOOKレポートについて~

(評)
不動産は完全に上げ潮ムードと言っていいだろう。銀行融資にも特段上昇傾向が見られないのに、これだけ商業地、住宅地バランス良く地価上昇がみられるというのは、不動産のインフレ期待の高まりがあるからだ。バブル後の失われた20年で、ちぢこまっていた消費マインドが上向きになっている証拠だろう。
三大都市圏で名古屋の地価の上昇が顕著なのは、やはりトヨタの業績の好調さによる。「尾張名古屋は城でもつ」は昔の話。今は「尾張名古屋はトヨタでもつ」と言ってよい。
同報告では、地価上昇の原因を「利便性の高い商業系地区での不動産投資意欲の高まりや、住宅系地区での需要増加」と説明。世の中の景気上昇期待に水を差す訳ではないが、かつて不動産バブルのときに、全国で地価が異常な急上昇をしたにも関わらず、国土庁は、都市基盤の整備が進んだことによる土地の「効用増」が原因と分析。結果、バブルを見逃すという失態を演じた。
短期的には土地は上がるだろう。しかし、人口の漸減状態にあることを考えれば、10年、数10年という長期投資で考えると期待はできない。一般庶民は30年でローンを組む以上、長期的観点から資産保全を中心に考える必要がある。短期的には低利で資金を調達、数年で利益を確定という投機的な見地で考えたときの投資判断とは別の判断が求められるので、注意が必要だ。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹