企業法務コラム

技術流出官民で防衛

政府は、技術の海外への不正流出に歯止めをかけるため、製造業を中心に30社超の参加を得て、7月にもフォーラムを発足させる。6月上旬に閣議決定する知的財産政策ビジョンにこの旨を明記する。米国の海外安全助言協議会OSACをお手本にするという。まず退職者との秘密保持契約のあり方についての指針を作ることからスタートする方針。

※参考
2013年5月30日 日本経済新聞
技術流出、官民で防衛 秘密保持契約、厳しく 政府、30社超と協議会

(評)
12年12月13日付日経記事に、同社が同年10月に主要326社を対象に実施し、148社から回答を得た調査の結果が載っている。
これによると、技術ノウハウや顧客情報といった営業秘密について「漏洩した経験がある」(20%)と「漏洩したと感じた経験がある」(15%)を合わせると35%に達した。製造業(87社)では39%だった。漏洩を経験した会社に流出ルートを複数回答で尋ねたところ、「国内退職者」が44%、「海外退職者」が15%、合弁や事業提携などでの情報共有が6%であった。
上記フォーラムがまず退職者との秘密保持契約について指針をまとめるというのも、こういった実態を反映してのことであろう。
なお、経産省が作成したものとして次のものがある。

技術流出防止指針
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g30314b03j.pdf
営業秘密管理指針
http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/111216hontai.pdf
※平成15年版の説明概要
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/tizai_bukai_4_p10.pdf
営業秘密管理チェックシート
http://www.meti.go.jp/press/20100409006/20100409006-2.pdf
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100129b06j.pdf
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g91225a08j.pdf
経産省のセミナー資料
http://www.digitalforensic.jp/archives/2010/1008.pdf
各種契約書の作成例
http://www.meti.go.jp/press/20100409006/20100409006-3.pdf
我が国における情報管理に関する各種ガイドライン等について
http://www.meti.go.jp/press/20100409006/20100409006-4.pdf
導入事例
http://www.meti.go.jp/press/20100409006/20100409006-5.pdf
独立行政法人情報処理推進機構作成
中小企業における組織的な情報セキュリティ対策ガイドライン
http://www.ipa.go.jp/files/000024455.pdf

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2013年06月06日
法律事務所ホームワン