企業法務コラム

厚労省、厚生年金廃止の論議へ専門委設置

厚生労働省は24日、社会保障審議会年金部会を開催し、有識者による専門委員会を設置した。企業年金の一つで、厚生年金の一部を国に代わって運用する厚生年金基金制度の廃止に向けた論議が、本格的に始まる。同省は11月に開く専門委の初会合で制度改革の原案を提示し、年内にも最終案をまとめる方針。「代行部分の積立金不足(代行割れ)を公的資金でどこまで穴埋めするかが最大の焦点」(厚労省幹部)となる。

※参考
2012年10月24日 日本経済新聞
「厚年基金廃止へ専門委を設置 厚労省 」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC2400N_U2A021C1EE8000/

(評)
7月現在、572の基金の半数に当たる286基金で国から借りている保険料が目減りし、その額は全体で1兆1千億円。運用利回りの悪化や高齢化が理由とされるが、高齢化は最初から分かっていた話だし、多くの基金が制度の縛りで年5.5%などと、現実あり得ない利率を押しつけられているのを放置してきたのは国の無作為が原因だろう。
厚労省は、厚生年金基金の加入者を、確定拠出年金など他の企業年金への移行を進める考えだが、現状不足している部分はどうなるのか。
税金でまかなうのか、利用者負担となるのか。自民党は基金廃止に反対しており、先が見えない。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2012年10月29日
法律事務所ホームワン