企業法務コラム

日本でもシェールオイル採掘に成功

石油開発大手の石油資源開発は3日、秋田県由利本荘市にあるガス田の泥岩層から、石油(シェールオイル)を掘ることに成功したと発表した。シェールオイルは、すでに米国などで商業生産が本格化しているが、日本で掘り出されるのは初めてとなる。オイルが出たのは、由利本荘市の「鮎川油ガス田」の深さ約1800メートルにある「頁岩(けつがん=シェール)」と呼ばれる泥岩層。

※参考
2012年10月3日 朝日新聞デジタル
「シェールオイル、試験採掘に成功 秋田で国内初」
http://www.asahi.com/national/update/1003/TKY201210030287.html

(評)
米国ではシェールガスの採掘が進み、エネルギー革命ともいうべき状況が生まれている。シェールガスは安価に採掘でき、埋蔵量も莫大なため、米国のエネルギー問題が一挙に解決しようとしているのだ。安価なエネルギーの開発で、米国に製造業回帰という動きも始まっている。米国ではシェールガスの成功に触発され、現在シェールオイルの開発も盛んになっている。
そこでこのニュース、朗報かというと、一点疑問がある。シェールガスの採掘には地下水源の汚染の問題は広く認識されているが、もう一つ大きな問題がある。地震の誘発だ。米国のシェールガス生産地では、今までその地域では存在しなかったM4から5程度の中規模の地震が頻発するようになった。地震大国日本でのシェールオイルには大きなリスクが含まれている。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2012年10月05日
法律事務所ホームワン