企業法務コラム

田畑価格が20年連続下落

日本不動産研究所は、12年3月末時点の10アール当たりの田畑の全国平均価格は田が83万2425円、畑が47万6608円という調査結果を発表した。前年比で田は1.6%、畑は1.8%の下落となっている。93年以降20年連続の下落だ。後継者がいない、買手がない、高齢化が下落原因のTOP3。一方個別所得補償制度の実施により、補助金目当てで田を賃貸に回すのを控える動きもあり、圃場条件が良好な田の賃料は強含みという結果も出ている。

※参考
住宅新報 2012年10月2日号
「田畑価格が20年連続下落 後継者不足など要因 不動研調べ」

(評)
農業価格の下落については農地法の影響が大きい。かつて日本経済において農業生産の比重が高かった時代であれば、農地が一部地主に集中することが問題視されたが、現在農業生産のGNPに占める割合は数%。今さら小作人保護の時代でもなかろう。農業をやりたい人に農地がスムーズに譲渡されるよう法改正が急務だ。農地の譲渡には、市街化区域を除いて農業委員会の許可が必要。農業委員も地元農家が持ち回りで務めており、外部の人間への農地の譲渡には消極的だ。このままでは、日本の農業は自然死を免れない。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2012年10月03日
法律事務所ホームワン