企業法務コラム

法人税減税をめぐり、財務省と経済産業省が対立

菅直人首相が指示している2011年度からの法人税率の引き下げについて、財源確保は不可能でも実施すべきとの経産省や産業界と、財源確保や明示的な効果を求める財務省との溝が埋まらない。

財務省は14日、減税の代替財源を示さない経産省に対し、①その目的や国内投資・雇用への効果、②税制の抜本改革と切り離して先行して実施することへの意味、③法人税の国税分のみ減税して地方分は据え置くことの意味、④社会保障費用の負担を含めた企業の負担は海外と比較して高くないこと、の4項目についての質問状を提出した。

さらに21日に開かれた租税特別措置の見直しを検討する「政府税制調査会」のプロジェクトチームは、経産省が要望する5%の引き下げを実施した場合、国と地方合わせて最大2.5兆円分の減収効果があると発表した。財務省と同一歩調で経産省に圧力をかけた形である。

※ 参照ニュース 
10月22日 msn産経ニュース
「法人税減税めぐり経産に圧力 財務「金持ってこい」 総務「効果示せ」」

10月25日 プレジデント・ロイター
「法人減税の国内投資効果に疑問の声、経済産業省が効果実証へ」

2010年10月29日
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