企業法務コラム

政府・日銀、円高への協調をアピール

8月12日、野田財務相と白川日銀総裁は相次いで、進行する円高への警戒感を表明する談話を発表した。しかし、市場が期待した具体的な対応策を打ち出すことはなかった。それは、政府と日銀の協調をアピールするだけでなく、円高対応の金融政策から距離を置く日銀から、実質的な円高懸念を引き出す狙いが政府側にあったためのようである。

そして17日、管首相と白川総裁が翌週中にも会談する方向で調整に入った。昨秋のドバイ・ショックをきっかけとした円相場の急騰のときも、鳩山前首相と白川総裁が会談し、直前には日銀が臨時の金融政策決定会合を開き、電撃的ともいえる追加的な金融緩和に踏み切っている。距離を置く日銀も、市場の緩和期待が高まって後に引けなくなり、前回と似た展開に追い込まれないとも限らない。

※ 参照ニュース
8月13日 プレジデント・ロイター
「政府・日銀が円高対応で協調アピール、強まる日銀包囲網」
8月17日 日経新聞 電子版
「首相・日銀総裁、来週会談で調整」

2010年08月26日
法律事務所ホームワン