企業法務コラム

郵貯の預入限度額、2000万円に引き上げで決着

連日報道されていた郵貯の預入限度額の引き上げに関して、政府は30日夜、郵政事業見直しを巡る閣僚懇談会を首相官邸で開き、郵便貯金の預入限度額を現行1000万円から2000万円に、簡易保険の加入限度額は同 1300万円から2500万円にそれぞれ引き上げることを決めた。一任を受けた鳩山由紀夫首相が、国民新党代表の亀井静香郵政・金融担当相が発表した郵政改革法案の概要に沿って決着させた。

亀井氏と原口一博総務相は24日、改革案を公表。日本郵政グループへの政府出資を残したまま郵貯・簡保の限度額を引き上げる内容について、仙谷由人国家戦略相らが「聞かされていない」などと反発。グループ内の取引にかかる年500億円規模の消費税を免除する案にも菅直人副総理・財務相が反対し、首相が閣僚懇談会を開くことを決めていた。

郵貯・簡保の限度額引き上げで、民間の銀行や保険会社から郵政グループに資金がシフトする可能性がある。民間銀行の預金は元本1000万円とその利息までしか保護されないため、事実上2000万円まで保護される郵貯と比べて競争条件が不利になりそうだ。

※ 参照ニュース
3月24日 日本経済新聞 夕刊1面
「政府、郵政改革案を発表」

3月25日 日本経済新聞 朝刊1面
「郵政見直し策、仙谷・菅氏が異論」

同2面社説
「民の活力奪い官を肥大させる誤り」

3月26日日本経済新聞 朝刊2面
「郵政見直し迷走」

3月31日 日本経済新聞 朝刊1面
「郵貯限度額2000万円で決着」

2010年04月01日
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