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文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/596回テーマ 「テレワークと労働時間管理」編

弁護士の中原です。

本日の『くにまるジャパン極』では、新型コロナウィルス感染拡大防止対策、また働き方改革として注目されているテレワークのお話をしました。テレワークという働き方自体は、以前から育児や介護を理由に、家にいながら仕事ができる働き方として、既に一部で行われていました。現在は、従業員を感染から守るため、導入が促進されている状況ですが、コロナの状況が落ち着いた後も、この傾向は続くと思います。

最近行われた、テレワーク体験者へのアンケートでは、実に81・8%がテレワークの継続を希望しています。中でも30代の女性では、実に89・6%が継続を望んでいます。家事や育児と仕事を両立できるなど、理由はいろいろあるでしょうが、働き方は1つではないんだと、働く皆さんが気づかれたのかも知れません。今後のテレワークは、働く人が働きやすい、自由な働き方の選択肢の1つとして、定着していくのではないででしょうか。

一方で、相手が目の前にいない分、労働時間管理が難しい側面があります。まだ確立されていない働き方なので、労働法が定めている労働時間管理方法の範囲で、会社側が工夫していくしかありません。労働法では労働時間法制を4つに分類していて、まず通常の「1日8時間、週に40時間」、次に「事業場外みなし労働時間制」、「裁量労働時間制」そして「フレックスタイム制」です。

例えば、1日8時間で週に40時間の場合、会社側は従業員の労働時間管理をきちんと行なわなければならないので、「これから仕事です」あるいは「仕事終了です」、といった報告をメールでしてもらったり、クラウドでの管理システムを導入する必要があると思います。それでも仕事中の相手の様子を知ることができないため、会社は必要以上に従業員の行動を監視したくなります。しかし、行き過ぎは問題で、「いま何をしているのか」といったメールを頻繁に送ったりすると、パワハラになりかねません。また長時間のWEB会議出席の強制も問題になります。

2番目の「事業場外みなし労働時間制」は、外回り営業や旅行の乗員といった会社の外で仕事をする場合に適用されることが多いです。この制度は、労働時間の算出が困難な労働者に適用できるものなので、テレワークで導入する場合は、そもそも、この制度を導入できるのかを検討することが重要です。

3番目の「裁量労働制」も、研究開発やシステムエンジニア等の専門業務の従業員、あるいは企画・立案・調査・分析といった企画業務に携わる従業員でないと適用できない制度ですので,まず対象労働者であるかどうかを検討することが必要です。「テレワークにしたから裁量労働制にした」という会社がありますが、そもそも対象外のケースが多いので注意が必要です。

最後の「フレックスタイム制」ですが、これは比較的テレワークと相性がいい制度と言われています。ご存知の方も多いと思いますが、始業時間と終業時間を従業員が決められるので、1日どれだけ働くかを自由に決められる制度です。これは、改めて別の機会にゆっくりお話ししたいと思います。

ホームワンでは、労務問題に力を入れた企業法務部門があり、幅広いサービスをご提供していますので、お悩みの方は、ぜひご相談戴ければと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇596回テーマ
「テレワークと労働時間管理」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士

2020年09月08日
法律事務所ホームワン