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文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/527回テーマ 「労働時間規制」編

弁護士の中原です。

今朝の『くにまるジャパン極』では、この4月から“働き方改革”で改正された労働基準法の「労働時間規制」というテーマでお話してきました。実は、労働基準法の大原則は改正されていません。法律で決められた労働時間は、1日8時間、週40時間以内、いわゆる法定労働時間は改正前も今も同じです。ただ、細かいところはいろいろ変わってきています。

例えば、1日の労働時間が8時間を超える場合、事前に労使協定を結び、行政庁に届け出る必要があります。これまでは罰則による強制力はなく、労使協定に特別条項として設ければ、いくらでも働かせることが可能でしたが、今回の労働基準法改正によって、時間外労働の上限が罰則付きで規定されました。

具体的には、原則として月45時間、年360時間、臨時的な特別な事情がなければ、これを超えることは許されません。また、そのような特別な事情の下で、労使が合意した場合でも、上限があります。

まず第1に、時間外労働は、「年に720時間まで」。第2に、「時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満」。第3に、「時間外労働と休日労働の合計が、連続する複数の月の平均で、80時間未満」。それから第4に、「時間外労働が月45時間を超えられるのは、年6か月が限度」となりました。これに違反した場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

また、労働時間等設定改善法の改正により、勤務間インターバル制度というものも導入されました。これは、前の日の終業時刻と次の日の始業時刻との間に、一定時間の休息を確保するよう努力してください、という制度です。

ただ、すべての労働者に適用されるかというとそういうわけではありません。たとえば「管理監督者」という地位にあるとされる場合は対象外です。この「管理監督者」というのは、単に管理職を意味する言葉ではないので、詳しくは、弁護士など専門家にお尋ねになられた方がいいと思います。また「研究開発業務」も、適用除外とされていて、会社の中でのポジションや仕事の内容によって判断する必要があります。

皆様の中にも「過労死ライン」という言葉を聞いたことがある方がいらっしゃると思います。これは「月80時間を越える残業」のことで、このラインを超えて働くと、脳や心臓疾患の発症と関連性が強まるという指摘があります。過剰な長時間労働は、企業にとっても労働者にとっても良いことではありません。
労働問題、労使間トラブルなどでお困りの方は、早めに弁護士など専門家に相談することも選択肢に入れていただくのがよろしいかと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇527回テーマ
 「労働時間規制」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士

2019年05月14日
法律事務所ホームワン