文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明代表弁護士が出演 174回テーマ 「痴漢被害に遭いたくない」編

2012年06月26日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

174回テーマ 「痴漢被害に遭いたくない」編
2012年6月26日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 安西真実さん
・法律事務所ホームワン 中原俊明代表弁護士

174回テーマ 「痴漢被害に遭いたくない」編(6月26日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
暑くなってきて、ご婦人方も薄着になって参りますと、多くなってくるのが「痴漢」です。やはり、混雑した電車の中が多いんでしょうか?

中原
警視庁によれば、6割以上が電車の中で起きています。それから、駅が14%。時間帯では、午前7時から9時の通勤・通学ラッシュに被害の35%が集中しています。狙われるのは10代・20代が8割以上です。
よく「痴漢容疑で逮捕」というニュースを耳にしますが、邦丸さんは、これ、どんな罪にあたるかご存知ですか?

邦丸
(答えて…)痴漢罪?

中原
法律上は「痴漢罪」という名前の罪はありません。痴漢行為をはたらくと、「迷惑防止条例」違反、あるいは刑法上の「強制わいせつ罪」などで処罰されます。

邦丸
「迷惑」って漠然とした表現ですね。

中原
たとえば東京都の「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」では、「何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない」とあります。これを痴漢に適用するわけです。

邦丸
その条例だと、痴漢行為は、「公共の乗物において卑わいな言動を行った」ということになるわけですね。

中原
はい。実は「迷惑防止条例」は、昭和30年代に社会問題だった「愚連隊」の乱暴な行為を防ぐことがもともとの目的で、かつては「愚連隊防止条例」とも呼ばれていました。それを痴漢行為に当てはめています。古い条例を有効活用しているわけですね。

邦丸
「愚連隊」って久しぶりに聞きました!「迷惑防止条例」と「強制わいせつ」ってどう違うんですか。

中原
「迷惑防止条例違反」の方が比較的軽い罪で、「強制わいせつ」の方がより深刻なケースに適用されます。一般的には「下着の中に手を入れたかどうか」が、強制わいせつと条例違反の分かれ目になるといわれます。

邦丸
そういう基準があるんですね。万が一、被害に遭ってしまったら、どうしましょう。

中原
難しいと思いますが「嫌だ!」という意思表示をしてください。痴漢かどうか確信が持てなければ、一度降りて車両を変えます。捕まえることが可能なら、現行犯逮捕を試みましょう。痴漢に関しては、一度取り逃がした後、犯人を突き止めて、さらに証拠や証人を集めて逮捕するのは難しいので、現行犯逮捕が基本です。

邦丸
現行犯逮捕って警察でなくてもできるんですか?

中原
被害者や周りの乗客など一般の方でも現行犯逮捕はできます。その後、警察や駅員に引き渡すことになります。

邦丸
加害者がもちろん一番悪いのですが、一方で人違いによる冤罪のおそれもありますよね。

中原
そうですね。ですので、逮捕するときには、触っている手を確実に捕まえてください。手元をよく見て、袖口や腕時計、指輪など、犯人の特定につながる特徴を確認してつかまえるようにしましょう。