企業再生とは?

企業再生にはいくつかの手法がある

企業再生とは、債務超過や赤字収支等の理由で存続が危ぶまれる企業を、その原因を排除し、再生することです。再生手法には、銀行融資のリスケジュール、中小企業再生支援協議会等による私的整理、民事再生、会社更生等の法的整理があります。

どんな場合に再生が可能か

かつては本業はいいんだけど、負債が多くてという企業が多かったのですが、最近はそもそも本業が思わしくなくてという企業が多くなっています。
そのため企業再生の焦点も、B/S調整型からP/L重視型に移ってきています。

大企業であれば、不採算部門と独立採算可能な部門を切り分ける形の解決が可能ですが、主力事業がそもそも一つしかない中小企業だと、そういった解決もできません。
ですから本業の立て直しが不可欠であり、そのためにも、実現可能性が高く、抜本的な経営改善計画(実抜計画)の策定が必要です。
本業が赤字でも、社長のやる気と、従業員の熱意があれば事業の再生は可能です。

実抜計画とは

実抜計画とは、実現可能性が高く、抜本的な経営改善計画のことを言います。

まず、「実現可能性の高い」と言えるためには、3つの要件を満たしている必要があります。

  • (1)計画の実現に必要な関係者(メイン行、非メイン行)との同意が得られていること
  • (2)計画における債権放棄などの支援の額が確定しており、当該計画を超える追加的支援が必要と見込まれる状況でないこと
  • (3)計画における売上高、費用及び利益の予測等の想定が十分に厳しいものとなっていること

キャッシュフローによる債務償還能力が重要です。

次に、「抜本的な」と言えるためには、概ね5年後に当該債務者の債務者区分が正常先となることが求められています。但し次の救済規定があります。

  • (1)経営改善計画が概ね計画通り(売上高や当期利益が計画比して概ね8割)に進捗している場合には、最長10年以内の計画についても5年の計画と同様に扱うことができる
  • (2)計画終了時に債務者区分が「正常先」とならない場合であっても、計画終了後に自助努力により事業の継続性を確保できるのであれば、債務者区分は「その他要注意先」であっても差し支えない
  • (※以上は中小企業を前提にしています)

    SWOT分析

    SWOT分析とは、目標達成についてのプラス要素とマイナス要素、外部要素と内部要素を抽出し、今後の経営改善のためのツールとするものです。内部のプラス要因がStrength(強み)、マイナス要因がWeakness(弱み)、外部のプラス要因がOpportunity(機会)Threat(脅威)、でこの頭文字を組み合わせてできた言葉がSWOTです。

    経営改善計画では、単に根拠のない数字を積み上げても、金融機関の信頼は得られません。客観的な分析を通じて、自社の事業の見通しを示すことが必要です。
    そのためには、全社員が参加してSWOT分析を行い、その結果をもとに次のようにクロス分析を行うことで、戦略が見えてきます。

    将来性はある分野で(O)、自社が強みを持っていれば(S)、強みを生かすのが積極戦略になる。
    将来性はある分野だが(O)、自社が苦手としていれば(W)、自社のスキルをアップすることが改善戦略になる。
    外部的な脅威があり他社はやりたがらないが(T)、自社が強みをもっている分野があれば(S)、その強みを生かすことが差別化戦略になる。
    外部的な脅威があり(T)、自社も苦手としている分野があれば(W)、撤退縮小戦略が必要になる。

    再生するにあたっての注意点

    経営改善にはリストラが不可欠ですが、まず「仕事のリストラ=業務プロセスの改善」を行いましょう。
    「人のリストラ」を検討するのはそのあとです。

    また、リストラの場合、退職を促す「肩たたき」と、会社に残るよう遺留する「逆肩たたき」を同時に行う必要があります。

    整理解雇の場合、次に述べる4要件(4要素)を満たす必要があります。
    整理解雇をするとなると、退職金が発生するため、逆に財務を圧迫することがあります。
    整理解雇をしたことで、従業員が大量脱退し別会社を立ち上げてしまったりとか、キーマンが退職してしまったりとか、却って会社の破綻を早めることもありますので慎重な判断と対処が求められます。

    整理解雇の4要件

    • (1) 会社の維持・存続のために人員整理が必要
    • (2) 希望退職者の募集等、整理解雇回避の努力を尽くしている
    • (3) 対象者の選定に合理性がある
    • (4) 労働者側との間で十分な協議が尽くされている

    ただ、民事再生、会社更生の場合は、(1)の要件は認められやすくなりますし、会社に見切りをつけて希望退職に応じる従業員も多いので、事実上、人員整理を進めやすくなるということはあるでしょう。

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