企業法務コラム

日本政策金融公庫、2010年度の最終赤字は1兆円超

日本政策金融公庫の中小企業信用保険事業の収支が一段と悪化し、2010年度の最終赤字が1兆円を大幅に上回る公算が大きくなった。「緊急保障制度」の融資が焦げ付き、保険金の支払いが膨らむのが主因である。同事業の損失が続いているため、政府は保障制度全般の見直しを検討する。審査の甘さなどから融資の焦げ付きが急増しており、現在の事故率は10%程度とみられ、保険費用が膨らんでいる。

信用保険事業の最終赤字は09年度で9900億円。事故率の高止まりで10年度は1兆円を大幅に超えそうである。保険料収入から保険金費用を差し引いた「保険収支」の赤字額も、過去最大の02年度(6048億円)を上回る公算が大きい。

注:信用保険制度 信用保証協会が行う信用保証のリスクを軽減することにより、それぞれの信用保証制度と一体となって、中小企業者又は破綻金融機関等の融資先である中堅事業者の資金調達の円滑化を目的としている。

※ 参照ニュース
6月19日 日本経済新聞 電子版
「政策公庫の信用保険事業、赤字1兆円超す公算」

2010年07月02日
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