金融検査マニュアルとは

金融機関は、金融庁というところから、監督されていますが、監督が特に厳しくなったのは、バブル破綻以降のことです。なぜかというと、バブル経済の破綻で、巨額の不良債権が発生したからです。いくつかの金融機関が経営破たんしたり、ほかの金融機関に合併されたり、国有化されたりしました。

金融機関が破たんした場合、預金が返ってこなくなる可能性があることも重要ですが、融資先への影響も深刻です。当の金融機関については、自己責任で済みますが、その金融機関から借りていた企業にとってはとんだ災難です。企業の多くは、金融機関から絶えずお金を借りて、それで事業を回しています。ですから、金融機関が破たんして融資が一時的にでも止まるということは、いわば心臓に血液が戻ってこなくなったのと同じなのです。 このため、金融庁は平成11年7月、金融機関が巨額の不良債権を抱え突然破たんしてしまうような事態を未然に防ぎ、金融機関の健全な経営を維持するために、金融庁が定期的に検査に入り、金融機関の資産の状況や業務の体制などをチェックする際の指針として「金融検査マニュアル」というものを作りました。このマニュアルでは、不良債権の分類や引当の基準が定められています。貸付先が破綻した場合に備えて、そのリスクに相当する分、お金を内部留保しておきなさいというものです。したがって、借入の支払が遅れたり、赤字決算が続いている会社があれば、金融機関はこれらの会社への債権の何割かに相当する額を引当金として、内部留保をする必要があるということです。

金融検査マニュアルにおいては当初から「中小・零細企業の特性に配慮した査定の検証を行うこと」が記述されていましたが、この記述がわかりにくく、検査において金融検査マニュアルが機械的・画一的に適用されているのではないかという意見がでてきたため、この点を明確にする趣旨から平成14年2月に「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」が策定されました。これは、中小企業向け融資については、「機械的、且つ画一的な債務者区分の捉え方」をせず、「表面上の財務状況の判断だけではなく、経営の実態を把握して、柔軟に総合的に対応しなければならない」というものです。また、経営実態に即した適正な査定が行われることにより、「貸し渋り」や「貸し剥がし」を防止するという目的もあります。

※金融検査マニュアルには、金融機関の経営、財務及び業務の健全化のため、様々な指針が入っていますが、企業の方にとって一番重要な点は上記に尽きると思いますので、その点だけの説明に絞らせていただきました。