相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その10

2017年09月15日
相続税

「相続手続きの実際(5)」

■不動産の評価

土地建物の評価について、相続税計算上、建物は固定資産税評価額に基づき評価し、土地は路線価をもとに評価することになります。路線価が付されていない場合などは、固定資産税評価額に一定倍率を乗ずるなどして計算します。固定資産税評価額は、年1回、所有者に固定資産税通知書と共に送付されていますので評価額を確認することができます。不明の場合には都道府県税事務所等で評価証明書を取り寄せることができます。路線価は、WEBサイトで確認できます。
http://www.rosenka.nta.go.jp/
土地の評価について、実際には複雑な計算等を要することもありますが、路線価×敷地面積でおおよその評価額をつかむことができます。

■登記情報

登記簿謄本により、土地建物の所在、地目(建物は種類・構造)・面積などを確認することができます。所有者について、他の親族等と共有名義になっていたりすることもあるでしょう。
やっかいなのは、被相続人の父や母など(つまり祖父母)の名義のままになっていて亡くなっている場合、遡って祖父(祖母)の相続手続きを行わなければなりません。被相続人に兄弟がいる場合には、被相続人の子らが、被相続人の兄弟(兄弟が亡くなっている場合にはその子など)と遺産分割協議を先にしなければいくら被相続人が実質的に支配していた不動産だったとしても被相続人の相続人たる配偶者や子の名義にすることはできません。
また、抵当権が設定されている場合があり、これも登記簿謄本で確認することができます。借入金を既に完済していて、抵当権が残っている場合には、抵当権者である金融機関等から必要書類を取り寄せて抵当権を抹消します。借入などの債務が残っている場合、抵当権を抹消せず、不動産等を相続人の名義変更することはできますが、相続したら金融機関に届出だけはしておきましょう。その残債を引き継いで返済していけば問題ないのですが、放っておいて返済が滞れば、競売等にかけられる可能性もあり注意が必要です。

■敷地面積

登記面積と現況面積が異なる場合は少なくありません。
測量図があり、登記面積と一致していれば、ほぼ信頼できると思いますが、それでも地震や長い年月により実際の現況面積と異なることがあります。また、地方の、しかも山林や田畑は、登記されている面積と実際の測量面積とが大きく異なることは珍しくありません。相続を機会に、コストとの兼ね合いもありますが実測して確認しておいた方が望ましいでしょう。また、隣地や道路との境に杭などが確認できない場合、将来トラブルになる可能性もありますので、立ち会って境界を確定させておいた方がよいでしょう。

■このコラムのポイント

  1. 1.建物は固定資産税評価、土地は路線価等により評価する。
  2. 2.登記簿謄本により登記情報(所在・地目(建物は用途・構造)面積・所有者情報など)を確認。
  3. 3.敷地面積は登記面積と一致しない場合がある、必要に応じて実測を依頼しよう。