相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その8

2017年08月18日
相続税

「相続手続きの実際(3)」

■相続財産調査の注意点

遺品を整理していく中で、相続財産が明らかになってきます。
遺言書があれば、全ての財産が記載されているわけでは必ずしもありませんが、主要財産・債務について把握できるでしょう。公正証書遺言といった手続きにより遺言書を遺している場合、原本が見当たらない、もしくは遺言書を残しているかどうか不明な場合には、近くの公証人役場に問い合わせすれば確認することができます。
また、財産債務についてほぼ把握できたとしても、稀に、知人等からの負債や連帯保証といったものついて書類等が相手方しか保管していないなどの場合、しばらくたってから出てくることがあります。財産等処分した後で、このような事実が発覚して支払いが生ずると面倒ですので、安易に遺品等処分せず、できる限り広範囲に確認しておいた方がよいでしょう。
葬式費用等は相続税の計算上、控除対象となるので領収書など漏れなく保管しておきましょう。

■預金通帳から情報を得る

預金通帳の入出金の項目を見ていけば、財産債務についての新たな把握ができるかもしれません。
(入金欄) 配当金の入金→株式・出資先等の把握。定期預金利息→定期預金・定期積積立金の把握。国民(厚生)年金・生命保険会社等からの入金→保険加入状況照会。見覚えのない入金→銀行等へ照会。
(出金欄) 年会費・手数料→会員権等の把握。月々の返済・利息の支払い→借入金等の把握。固定資産税等の引落・公共料金の引落・自動車税の引落→箇所数・引落数により余計に引き落とされている場合、把握していない不動産・車両等の可能性。保険料の引落→加入保険等の照会。見覚えのない引落→銀行等へ照会。
通信販売の定期購読やカードの年会費など、不要なものを見つけ次第すぐに脱退などの解約手続きをしていきましょう。

■休眠預金

預金が、どこにいくら把握できないことも考えられるでしょう。A支店のみならずB支店にもあったとうことも考えら れます。ほとんど使っていない休眠預金があるかもしれません。
これらを明らかにするためには、取引銀行(取引していたと思われる金融機関含む)ごとに残高証明書を依頼しましょう。手数料はかかりますが、各金融機関にある全ての預貯金口座残高を把握することができます。
2015年には、金融機関に預けられてから10年以上出し入れがなく、預金者が現れない「休眠預金」について、国等が活用できる法案が可決されています。いずれにしても、残高証明書を取っておくことが把握漏れを防ぐのに役立つでしょう。

■このコラムのポイント

  1. 1.遺言書により遺産内容を把握できる場合もあるが、基本的には遺品等の中から情報収集図る。
  2. 2.預金通帳の入出金欄から情報を得る。不明な入出金は金融機関へ照会を。
  3. 3.金融機関へは残高証明を請求する。10年以上出し入れなく、預金差が現れない休眠預金は国等に活用されることに。