相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その3

2017年06月09日
相続税

「相続放棄と限定承認」

■何を相続するのか?

死亡した人の権利や義務などのすべてが相続の対象となります。
預貯金や不動産などの財産の他に、借入金などの負債も相続することになります。
財産がなく借入金しかない場合であっても、原則として、法定相続人が相続することになります。借金は死亡した人が借りたもので、相続人には関係ないように見えますが、放っておいたら、やがて銀行など貸主から法定相続人に督促がいくことになるでしょう。
連帯保証についてはどうでしょう? 「死亡した人の義務」ですから、相続の対象となってしまいます。恐ろしいですね。

■相続放棄と限定承認

被相続人が借りた借金が、相続人に取り立てられることは本意ではないでしょう。そうならないためには、相続放棄や限定承認という手続きにより、被相続人の借金返済を全部又は一部免れることができます。
相続放棄は、一切の財産債務の相続をしないという意思表示をすること。
限定承認は、相続人が取得する財産の範囲内で債務を弁済することをいいます。
相続放棄や限定承認といった手続きは、相続があったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。

■放棄か限定承認か?

限定承認の場合、財産が債務を上回った部分について相続することになり、逆に債務が財産を上回っている場合には、その上回った債務について相続しなくて済みます。
どうも借金があるようだが、被相続人の保有財産や債務の額がわからない場合、放棄でなく限定承認を選ぶのがよいでしょう。限定承認により取得した財産について、相続時の価額で譲渡したものとみなして所得税がかかるなどいくつか注意点あり、専門家に相談した上で慎重に検討する必要があるでしょう。
また、相続財産を一部でも処分してしまっていると、相続放棄や限定承認ができなくなります。さらに、相続放棄や限定承認の手続きを終えた後でも、相続財産を隠したりするなどの場合には、相続を単純に承認したものとして取り扱われることがあり注意が必要です。

■このコラムのポイント

  1. 1. プラスの財産だけでなくマイナスの財産も相続の対象になる。
  2. 2. 相続放棄により、一切の財産債務を相続しないことができる。
  3. 3. 限定承認により、相続人より得た財産の範囲内で債務を弁済する制度がある。但しメリットデメリット等慎重に検討する必要がある。