B型肝炎給付金請求の知識

B型肝炎について

  • B型肝炎とは

    B型肝炎ウイルスによって引き起こされる肝炎です。肝炎ウイルスはA型からG型まであります。ウイルスの種類が違うため、治療法も治癒率も違ってきます。日本ではB型ウイルス保有者は150万人とされ、多くは自然治癒しますが、5%は肝疾患となると言われており、その場合、慢性肝炎、肝硬変へと進行することがあります。

  • ツベルクリンとBCGの違いについて

    BCGは、結核予防のためのワクチンです。2005年以前は、まずツベルクリン注射をし、陽性反応が出るか(結核菌に免疫あり)、陰性反応が出るか(結核菌に免疫なし)を見て、陰性反応であればBCG接種を行っていました。2005年以降は、生後6か月以内にツベルクリン検査をすることなく、全員にBCG接種をするようになりました。

  • HBs抗原とHBs抗体の違い

    HBs抗原はウイルスの核のことをいい、HBs抗原が血液中に存在するとB型肝炎ウイルスに感染している可能性が高くなります。HBs抗体はこれに対して免疫が出来た抗体のことをいいます。HBs抗体が血液中に存在すると、B型肝炎ウイルスに過去にかかったことがあることが分かります。HBS抗原が陽性の場合は、HBS抗体が陽性出も陰性でも、感染の可能性があるので、精密検査を受けて治療の必要があります。

  • B型肝炎の治療法について

    主な治療法は、インターフェロンや核酸アナログ製剤を用いた抗ウイルス療法です。ステロイド又はプロパゲルマニウム(商品名はセロシオン)を利用した治療法もありますが、現在ではあまり利用されていないようです。核酸アナログ薬(ラミブジン、アデフォビル、エンテカビル、テノフォビル)はウイルスの成熟を強力に抑えて肝炎をなくす効果があります。

  • インターフェロンの長所・短所について

    細胞から分泌されるある種のタンパク質をサイトカインといい、その中で、ウイルスが侵入した際に分泌され、ガン細胞の増殖を阻止しようとするのがインターフェロンです。インターフェロンは注射により投与されます。HBVの増殖を抑える力はあまり強くありませんが、うまく行けば投与を終えた後も免疫機能が働き、効果が持続します。ただ、全ての人に効く訳ではなく、効かない場合もありますし、副作用も強く出ます。

  • 核酸アナログ製剤の長所・短所について

    核酸アナログ製剤はウイルスの増殖を直接阻害する薬剤で、日本ではラミブジン(商品名ゼフィックス)、アデホビル(商品名ヘプセラ)、エンテカビル(商品名エンテカビル、バラクルード)、テノホビル(商品名テノゼット、ベムリディ)の4種類が使用されています。

    核酸アナログ製剤はB型肝炎ウイルスの遺伝子型や年齢によらず、ほとんどの症例で抗ウイルス作用をきたし、肝炎を沈静化させます。経口薬なので投与しやすく、副作用も少ないのが長所です。その反面、投与中止により肝炎の再燃率は高く、劇症化の危険性もあることから長期投与が必要であること、長期投与によって薬剤耐性のウイルスが出現することが問題となります。

  • 持続感染、キャリアというのはどういう状態をいう言葉ですか

    成人は免疫機能が確立しているため、B型肝炎ウイルスに感染しても、多くの場合は自然に治癒します。一部の方は 急性肝炎 を発症しますが、一過性の感染を経て治癒します。この場合、ウイルスは体外に排除されます。

    しかし、免疫機能が未熟な乳幼児が感染すると、免疫機能がウイルスを異物と認識できないため肝炎を発症しないことがあり、ウイルスが排除されず、ウイルスを体内に保有した状態< 持続感染 >になります。このように、ウイルスを体内に保有している方を「 キャリア」と呼びます。

  • 発症するキャリアと発症しないキャリア

    キャリアの方の約90%は一般的に、無症候期から肝炎期、肝炎沈静期と移行し、その後、無症候性キャリアのまま生涯を経過します。しかし、約10%の方は 慢性肝炎 を発症し、 肝硬変、肝細胞がん へと進展する危険性があるとされています。

  • セロコンバージョンと無症候性キャリアの関係

    キャリアの方が肝炎を発症すると、いったんはウイルス量が増加しますが、免疫機能の働きでウイルス量は大幅に減少します。 この時、血液中のHBe抗原が陰性に、HBe抗体が陽性なります。これがセロコンバージョンです。こうして肝炎が沈静化し、無症候性キャリアとなります。ただ、現在の治療では、HVBを大幅に減少はできても、完全に排除することまではできません。そのため無症候キャリアであっても、将来B型肝炎等を発症することはあるのです。

  • 慢性肝炎・肝硬変・肝がんになる可能性について

    全ての急性肝炎が治癒する訳ではなく、慢性肝炎になることもあります。慢性肝炎になっても免疫機能によって肝細胞は死滅しますが、肝細胞は再生能力が旺盛なため再生してきます。しかし、細胞の再生が間に合わないと、肝細胞は線維化し肝臓は硬くなります。この状態が肝硬変です。そして長い年月の炎症により、肝がんを発症します。

  • セロコンバーション後に肝硬変、肝がんになることもある?

    セロコンバージョンが起きた後もウイルスが増殖を続け、肝炎が進行し、肝硬変や肝がんに移行する人もいるため、セロコンバージョン後も、定期的に肝臓の検査を受ける必要があります。

  • 肝硬変を経ずに肝がんになる人も

    B型肝炎場合、無症候性キャリアのまま肝がんを発症することもあります。HBVのDNAの一部が肝細胞のDNAに組み込まれ、がん細胞が発生することが原因と言われています。そのため、キャリアの方は、肝機能検査だけでなく、定期的に肝がんの検診を受ける必要があります。

B型肝炎訴訟について

  • B型肝炎がなぜ社会問題となったのか

    昭和23年7月1日乃至昭和63年1月27日までの間、国の主導の下、集団予防接種等(予防接種及びツベルクリン反応検査)が行われましたが、当時の衛生意識の低さから、消毒等の不十分な注射器が使い回しされ(連続使用)、これを通じて推定49数万人という人がB型肝炎ウイルスに感染したのです。

  • 集団予防接種によるB型肝炎感染者を救済する法律

    平成23年12月9日に成立した「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」がそれにあたります。

    第1条に「集団予防接種等の際の注射器の連続使用により、多数の者にB型肝炎ウイルスの感染被害が生じ、かつ、その感染被害が未曽有のものであることに鑑み、特定B型肝炎ウイルス感染者及びその相続人に対し、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等を支給するための措置を講ずることにより、この感染被害の迅速かつ全体的な解決を図ることを目的とする。」とあり、感染者への給付金支給制度や、定期健診費用等の国による支給を定めています。

  • B型肝炎訴訟とは?

    予防接種法等によって、幼少期に集団予防接種を強制させられていましたが、当時は注射器の使い回しが常態化していたこともあり、多数の方がB型肝炎ウイルスに感染する危険性が生じていましたが、主管官庁の厚生省(現在の厚生労働省)の肝炎ウイルスの血液感染への危機意識の低さから、その被害の発生・拡大を防止しなかったことにより、多数の方にB型肝炎ウイルス感染の被害が生じました。

    このため、集団予防接種によりB型肝炎ウィルスに感染した方が多数原告に加わり、国に対して損害賠償を求めて裁判を起こしました(B型肝炎集団訴訟)。裁判中、原告団と国との間で和解が成立し、そのときの基本合意がもとになって、「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」が作られ、国が被害者に給付金を支払う体制が整いました。ただ、この給付金の支給を受けるには訴訟を提起し判決を得るか、国と和解する必要があるのです。

  • B型肝炎訴訟にかかる期間

    その殆どが国との和解によって解決しています。提訴すると、2、3カ月後に裁判期日があり、弁護士が出頭し、裁判官、国の代理人と3者で今後のスケジュール確認があり、さらに概ね6カ月後に弁護士が裁判所に出頭し、その場で和解が成立します(なお、国から追加の資料等の提出を求められますと和解の成立はこれら作業が整った後となります。)。

    国との和解成立後は、社会保険診療報酬支払基金に対して給付金等の支払請求をおこない、給付金を受領します。よって、個々のケースによっても異なりますが、裁判所への提訴から和解案に基づいて給付金が支払われるまでに2、3年間かかる場合もあります。

  • 訴訟は誰を被告として起こすのですか

    被告は国になります。かつて予防接種法という法律があり、市町村長は、国が定めた病気について、国が定めた範囲の住民に対して、期日又は期間を指定して、予防接種を行わなければならないとされていました。こうして、国の政策として行われたのが集団予防接種のため、国自体が集団予防接種等によって生じた損害について、国家賠償法1条1項に基づく賠償責任を負っているのです。

  • 裁判はどこの裁判所で起こすのですか

    請求する人の住所を管轄する裁判所か、東京地方裁判所になります。東京地方裁判所では、集中審理がなされており、当事務所も東京地裁に裁判を提起しています。

  • 裁判所へ出頭される必要はありません

    B型肝炎訴訟は、書類審査で全てが解決するため、ご本人が裁判所へ出頭される必要はありません。国は、一定の条件を満たした人から裁判を起こされた場合は、和解により給付金を支払うことになっていますが、裁判は、通常2回ほど開かれ、そこで和解が成立します。

  • B型肝炎被害者向けの法律とは?

    B型肝炎が社会問題となり、国の責任を問う裁判が全国で起こされるようになりました。その結果、札幌地方裁判所がとりまとめた基本合意書案を、国が受け入れ、平成24年、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法が施行されるようになりました。

    平成27年、新たに裁判上和解が成立し、基本合意書(その2)が成立し、その内容に沿って死亡又は発症後20年を経過した死亡・肝がん・肝硬変の原告らとの和解についても国が給付金を渡すことになり、それに沿う形で同法が改正去れ、平成28年8月1日から施行されています。

  • 給付金を受けるためにはどのような要件がありますか

    給付金を受けるには次の要件を満たしていることが必要です。

    • 1) 昭和16年7月2日から昭和63年1月27日までに生まれたこと
    • 2) B型肝炎ウイルスに持続感染していること
    • 3) 満7歳になるまでに集団予防接種等(集団予防接種またはツベルクリン反応検査)を受けていること
    • 4) B型肝炎ウイルス感染が母子感染によるものではいこと
    • 5) 原告のB型肝炎ウイルス持続感染に集団予防接種等以外の原因がないこと
  • B型肝炎ウイルスに持続感染していることをどうやって証明するのですか

    給付金を受けるには次の要件を満たしていることが必要です。

    • 1) 病院で血液検査を受けB型肝炎ウイルスHBs抗原陽性、HVD-DNA陽性又はHBe抗原陽性のいずれかの確認が得られたら、その6か月以上後に同じ検査を受けて、同じくB型肝炎ウイルスにつき同じく陽性が確認されることが必要です。
    • 2) 以上の検査結果が存在しなくともHBc抗体陽性で、かつ高力価であることの検査結果がある場合
    • 3) 上記①と②のほか、医学的知見を踏まえた個別判断により、B型肝炎ウィルスの持続感染が認められること。
  • 満7歳になるまでに集団予防接種またはツベルクリン反応検査を受けていることはどうやって証明するのですか

    ①ないし②が基本ですが、①、②がなければ③により証明することが許されています。③の証明が認められるかは裁判所の判断次第ですが、国は裁判所が判断を示した場合これを尊重することになっています。

    • 1) 母子健康手帳の原本
      母子手帳には「予防接種の記録」というページがあり、そこにどのような予防接種を、いつ受けたかを記録するようになっています。通常予防接種として行われるのが三種混合ワクチン(百日せき・ジフテリア・破傷風)、種痘、急性急性灰白髄炎(ポリオ)等のワクチン、ツベルクリン反応検査などです。
    • 2) 予防接種台帳
      母子健康手帳の原本を提出することができない場合でも、各市区町村が集団予防接種当時の予防接種台帳を保管していればそれを証拠に出すことができます。ただ、殆どの市区町村がこの台帳を破棄してしまっています。
    • 3) ①と②のいずれもない場合
      原告又は関係者の陳述書等により、具体的な接種状況及び母子健康手帳を提出することのできない事情が可能な限り合理的に説明され、原告に種痘又はBCGの接種痕があるとする医師の意見書があり、原告の出生時から満7歳になるまでの居住歴を確認することができる住民票又は戸籍の附票の写しが必要です。 被告の調査により予防接種台帳の保存が確認された市区町村に居住歴のある場合は、台帳に原告についての接種記録の記載がないことを証する市区町村発行の証明書がさらに必要です。
  • なぜ満7歳までという要件があるのでしょうか

    B型肝炎ウイルスに感染したのち、これが持続感染化するのは免疫機能が未発達な幼少期(6歳頃まで)に感染した場合という医学的知見や平成18年の最高裁判決がもとになっています。

  • 予防接種台帳はどの程度残っているものなのでしょうか

    厚労省が、平成30年12月7日時点で、各自治体にどの程度予防接種台帳が残っているかを調査した結果が以下の通り公表されています。

    全国1750市町村中、保存している一番古い予防接種台帳が昭和20年代という市町村が2、昭和30年代が22、昭和40年代が157、昭和50年代が504、60年代が258という結果でした。昭和50年以前は残っていない自治体が全体の9割というのが実情です。

    https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou/b-kanen/dl/index-01.pdf

  • 原告のB型肝炎ウイルス感染が母子感染によるものではないことはどうやって証明するのですか

    以下の①②③のいずれかにあたることの証明が必要です。

    • 1) 母親(母子関係を証明するため戸籍が必要)が病院で血液検査を受け、HBs抗原とHBc抗体の両方が陰性の評価を得ることが必要です。ご本人の場合は現在感染しているかを確認するHBs抗原の検査だけで足りるのですが、母親の場合は過去に感染したことがないかも確認する必要があり、そのためのHBc抗体検査が必要になるのです。なお、母親が既に死亡している場合は、母親が80歳未満の時点のHBs抗原陰性の検査結果のみで構いません。
    • 2) 母親が既に死亡しているため、母の血液検査結果を証拠提出できない場合は、年長のきょうだい(きょうだい関係を証明するための戸籍が必要)の検査結果で代用できます。年長のきょうだいが二人いて、1人が陽性の場合でも、もう1人が陰性であれば、問題ありません。
    • 3) 上記①と②のほか、医学的知見を踏まえた個別判断により、母子感染によるものではないことが認められること
  • B型肝炎ウイルス感染に集団予防接種等以外の原因がないことはどうやって証明するのですか

    以下のいずれにも該当しないことが必要です。

    • 1) 裁判所提出書類中に集団予防接種等とは異なる原因の存在をうかがわせる具体的な資料があること。
    • 2) 父がB型肝炎ウィルスの持続感染者であり、かつ、自分のB型肝炎ウィルスと父のそれのタイプ(DNA配列が同一)が同一であること。

      ※父親からの感染でないことを証明するために必要となる検査です。

    • 3) 自分のB型肝炎ウィルスのジェノタイプがAe型であること。

      ※ 自身のジェノタイプが特定でき、平成7年以前に感染した場合は③の要素の検討は不要です。

      ※ ジェノタイプAeのB型肝炎ウイルスは、成人後の感染であっても、その10パーセント前後が持続感染化することが知られています。日本では、このジェノタイプAeのB型肝炎ウイルスは、平成8年以降に感染例が確認されています。このため、平成8年1月1日以降にB型肝炎ウイルス感染が確認された方については、ジェノタイプの検査結果の提出を求めることとし、仮にジェノタイプAeであれば、成人後に感染した可能性があると判断されます。

    上記のほか、医学的知見を踏まえた個別判断により、集団予防接種以外のB型肝炎ウィルスへの持続感染の原因が見当たらないと認められた場合は、その証明ありとなります。

  • 母が集団予防接種の連続使用が原因でB型肝炎ウィルスに感染したため、自分もB型肝炎ウィルスに感染した場合はどうなりますか。

    以下が証明されれば、給付金を受けることは可能です。

    • 1) 母親が、①昭和16年7月2日から昭和63年1月27日までに生まれたこと、②B型肝炎ウイルスに持続感染していること、③満7歳になるまでに集団予防接種またはツベルクリン反応検査を受けていること、④B型肝炎ウイルス感染が母子間の感染によるものではいこと、⑤母親のB型肝炎ウイルス感染に集団予防接種等以外の原因がないことの証明ができること。
    • 2) 次のいずれかの事由が存在すること

      2-1) 自分が出生直後にB型肝炎ウィルスに持続感染したと認められること。

      2-2) 自分のB型肝炎ウィルスのDNA配列(塩基配列)が母のそれと同一であること。

      2-3) 以下のⅰないしⅲの事実があること

      • ⅰ自分の出生前に母の感染力が弱かったこと(HBe抗原が陰性であったこと)が確認されないこと。
      • ⅱ自分が昭和60年12月31日以前に出生していること。
      • ⅲ以下のアないしウのいずれの事実もないこと
        • ア.B型肝炎ウィルスの持続感染について母子感染とは異なる原因の存在をうかがわせる具体的な資料のあること
        • イ.父がB型肝炎ウィルスの持続感染者であり、かつ自分と父のB型肝炎ウィルスのDNA配列(塩基配列)が同一であること。
        • ウ.自分のB型肝炎ウィルスのジェノタイプがAe型であること。
    • 上記1)と2)のほか、医学的知見を踏まえた個別判断により、自分の持続感染が母からの母子感染であると認められること。
  • 給付金はいくら貰えるのですか

    現在の症状によって違います。慢性肝炎、無症候キャリアの場合は発症後提訴までに20年を経過したか否かにより、金額が違ってきます。これは損害賠償請求権の時効が20年間であることと関係しています。

    1) 死亡、肝がん又は肝硬変(重度) 3600万円
    2) 死亡、肝がん又は肝硬変(重度)  (20年を経過した方) 900万円
    3) 肝硬変(軽度) 2500万円
    4) 肝硬変(軽度)  (現に治療を受けている者等) 600万円
    5) 肝硬変(軽度)  (上記の者以外) 300万円
    6) 慢性肝炎(④、⑤に該当するものを除く) 1250万円
    7) 慢性肝炎(発症後提訴までに20年を経過したと認められる者のうち、現に治療を受けている者等) 300万円
    8) 慢性肝炎(発症後提訴までに20年を経過したと認められる者のうち、④に該当しない者) 150万円
    9) 無症候性キャリア(⑦に該当するものを除く) 600万円
    10) 無症候性キャリア(一次感染者又は出生後提訴までに20年を経過した二次感染者) 50万円
  • 現に治療を受けているとはどういうことを言うのでしょうか

    以下の①か②のいずれかの事由がある場合を言います。

    • 1) 訴訟提起日の1年前の日以降の時点で、同時点後6カ月以上をおいた別の時点で、B型肝炎ウィルスによるALT(GPT)値の異常が認められること。
    • 2) インターフェロン、核酸アナログ製剤、ステロイド又はプロパゲルマニウムのいずれかによるによるB型肝炎治療歴があること。

      ※ 核酸アナログ製剤にはラミブジン(商品名ゼフィックス)、アデホビル(商品名ヘプセラ)、エンテカビル(商品名エンテカビル、バラクルード)、テノホビル(商品名テノゼット、ベムリディ)があります。

      ※ プロパゲルマニウムは商品名セロシオンという薬剤名で知られています。

  • 肝硬変の重度、軽度はどのようにして分けているのでしょうか

    肝性脳症の有無・程度、腹水の有無・程度、血糖アルブミン値、プロトロピン時間、血清総ビリルビン値の有無・程度によって1点・2点・3点に点数化が図られ、90日以上を置いた2時点で、合計点10点以となった場合が重度であり、それに至らない場合が軽度になります。

  • 無症候キャリアとはどういうものをいいますか

    B型肝炎ウィルスに感染された方(キャリア)が肝炎を発症すると、いったんはウイルス量が増加しますが、免疫機能の働きでウイルス量は大幅に減少します。 この時、血液中のHBe抗原が陰性に、HBe抗体が陽性なります。これがセロコンバージョンです。こうして肝炎が沈静化し、無症候性キャリアとなります。ただ、現在の治療では、ウィルスを大幅に減少はできても、完全に排除することまではできません。そのため無症候キャリアであっても、将来B型肝炎等を発症することはあるのです。

  • 裁判に必要となった検査費用は支給されますか

    父と自分のB型肝炎ウイルスの塩基配列についての検査が必要となり、これを行い、裁判上この検査結果を用いて和解が成立した場合には、給付⾦等と合わせて支払基⾦から検査費用として6万5千円が支給されます。

    平成7年12月31日以前に持続感染したことが確認できない場合、B型肝炎ウイルスのジェノタイプがAeではないことを証明する検査結果が必要です。この検査結果を用いて和解が成立した場合には、主要な遺伝子型を判定する検査については2、300円(保険給付がない場合には8、500円)、ジェノタイプAaまたはジェノタイプAeを判定するための検査について15、000が、給付金等と合わせて支払基金から検査費用として支給されます。

    上記両検査が行われても、和解が成立しなかった場合には、検査費用は各自の負担となります。

  • 弁護士費用はどうなりますか

    当事務所は給付金の12%を成功報酬としていただいていますが、国から弁護士費用の補助として給付金の4%相当額が支給されるため、お客様が実際に負担する報酬は給付金の8%分です。もちろん完全成功報酬制ですので、給付金が支払われた場合に、その給付金の中からいただくことになっています。

  • 裁判で和解が成立するとすぐに支払われるのでしょうか

    裁判所から発行された和解調書やその他必要書類を整えた上で、社会保険診療報酬支払基金に支給請求すると、概ね50日後に指定口座へ支払われることになっています。

BCG注射痕跡について

  • BCG注射痕とB型肝炎訴訟

    B型肝炎訴訟で国から給付金を貰うためには、裁判で「満7歳になるまでに集団予防接種を受けたこと」の立証が必要です。母子健康手帳又は接種記録が確認できる予防接種台帳があれば、これが直接証拠となり、立証することも可能となりますが、これがない場合、間接証拠を積み上げて、証明する必要があり、これの一つがBCG注射痕なのです。

  • ツベルクリン反応とBCG接種

    かつて日本では、結核予防法により乳幼児・小中学生に対してツベルクリン反応検査を行い、陰性だった者に対してBCG接種が行われ、その後陽性になるまで(陽転)毎年接種されていました。ただ、結核に感染していないのに陽性反応が出てしまうことがあり、その有効性が疑われるようになったため、今ではツベルクリン反応検査をすることなく、乳児段階でBCGを接種するようになっています。

  • BCGとは

    毒性を弱めた牛型の結核菌で作ったワクチンで、結核の免疫をつけるために接種します。BCGの効果は15年程度持続するといわれ、重症の結核の予防に高い有効性が認められています。生後1歳までにBCGワクチンを接種すれば小児の結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度罹患リスクを減らすことができるとされています。抵抗力の弱い乳児の結核は重症化しやすく、死に至るケースもあるため、生後3カ月から6か月までに実施するのがよいとされています。

  • BCGの注射痕

    当初BCGは「皮内法」といって、注射器を使ってBCG接種を行っていましたが、昭和42年3月の省令改正により同年4月から「経皮法」という方法がとられるようになりました。経皮法は管針法とも呼ばれ、特殊な形状から「はんこ注射」とか「スタンプ注射」とか呼ばれていました。9つの針が3×3に等間隔で固定され、これを上腕部に2カ所に押すので、サイコロの6の目のような後が、2か所、18針の跡が残ります。

    古いタイプの皮内法による注射痕は、注射部分が白くなったり、ケロイド状になったりという特徴があります。医師に注射痕を見せ、厚労省が用意した「接種痕意見書」のひな型に、必要事項を記載してもらい、これを証拠に出すことになります。

    参考:接種痕意見書のひな型
    http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/hepatitisb/tsuuchi-01.pdf