【刑事弁護】児童ポルノ法、単純所持で初送検

2015年09月15日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

ホームワン 刑事弁護チームです。

いわゆる「児童ポルノ法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)」が昨年改正され,一定の条件で,児童の姿態写真や画像などを単純に所持することについても罰則が適用される等となりましたが,沖縄県の男性が,女児の全裸画像を保存したスマートフォンを所持していたとして,同法違反で改正後初めて書類送検されました。

ここでいう「児童」は,18歳未満が対象となり,性別は問わず,自分の子供や孫なども含まれます。

「児童」は実在する人物に限り,アニメやCGなどで架空の人物を創作したものは対象となりません。

改正前の所持罪は,児童ポルノを他人に提供・販売する等の目的で所持していた場合に適用されていました。

しかし,改正後の所持罪は前記の場合に加え,「自己の性的好奇心を満たす目的」で,かつ,「自己の意思に基づいて所持(保管)するに至ったものであることが明らか」な場合についても,単純所持罪として処罰されることとなりました。

単純所持の法定刑は,1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

このように単純な所持も罰するということで,「別件逮捕」という危険性も秘めてきますし,先日衆議院を通過した刑事訴訟法の改正案では,「通信傍受」の対象となる罪名にも児童ポルノ罪が加えられていることから,警察などの取り締まりが,児童の性的虐待や搾取から守るという本来の趣旨からかけ離れる虞もあるかもしれません。