文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/428回テーマ 「法定相続情報証明制度」編

2017年06月06日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

今日は遺産相続に関する新しい制度,「法定相続情報証明制度」のお話をしてきました。これまでは,亡くなった方の財産を処分しようとしたり,名義を変えようとする場合,その人が亡くなった方の相続人であるかどうかを確認するために,その都度,戸籍謄本の束を,関係機関それぞれに提出しなければなりませんでしたが,今回の新しい制度では,そういった手間が省略出来ることになります。

「法定相続情報証明制度」では,まず相続人が,登記所に,戸籍謄本など必要な書類を提出すると,認証文つきの「法定相続情報一覧図」の写しを交付してくれます。これは,簡単に言えば「家計図」のようなもので,亡くなった方の相続人が誰かということや,亡くなった方の最後の住所地などが掲載されています。
この「一覧図」があれば,相続人なのかどうかという事が一目でわかるので,戸籍謄本などの提出は必要なくなります。また,銀行などでも確認する手間がかなり省略されますので,今後は,不動産の相続登記の申請手続きや預金の払い戻しなど,これまで,戸籍謄本全部が必要だった場面で,幅広く活用されることが期待されています。
また,空家が増えて治安などが悪化するいわゆる「空家問題」も,相続の手続きがあまりにも煩雑すぎることが一因ではないかと指摘されていますので,今回の新しい制度は,その解決に向けても,役立つことが期待されています。

法定相続情報一覧図は,相続する遺産に不動産がなくても,使い道はあるので遺産が預貯金,現金だけ…という場合や,あまり相続人の数も多くなくて,話し合いもスムーズに進むという場合でも,ぜひ利用されるといいと思います。一覧図の写しの交付を受ける場合は,手数料もいりません。
ただ,あくまで法定相続情報一覧図は単なる戸籍の束の代わりに過ぎません。事務手続きがいくらか楽になった,ということです。実際に相続財産を処分するには「遺産分割協議」をし,相続人どうしで遺産をどう分けるのか,という話し合いはきちんとする必要があるので,遺言書があれば,その内容に従わなければならないわけです。
また,法定相続情報一覧図を作成するためには,まず初めに登記所へ戸籍謄本などを提出する必要はありますので,残念ながら一回は戸籍謄本集めが必要になります。弁護士や司法書士,税理士なども代理人を務めることができますので,お忙しい方は,専門家へご相談するのも一つの方法かと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇428回テーマ
 「法定相続情報証明制度」編
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士