文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/415回テーマ 「相続トラブル」編

2017年03月07日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

本日は「相続にまつわるトラブル」というテーマで,お話をしてきました。
相続において,争いの元になるポイントを3つ,ご紹介します。

まず1つ目が,「寄与分」についてです。これはあまり聞き慣れない言葉だと思いますが,たとえば,相続する兄弟姉妹の中で,親の介護や事業の手伝いをしてきた方は,してこなかった方と比べて,遺産の取り分を多くもらいたい…と考えますよね。親のためにがんばった,寄与した,ということで「寄与分」。これが認められれば,法律で決められた分に上乗せされる可能性があるわけです。
ただ,単純に面倒をみたというだけじゃなく,実際には,具体的にどのくらいの利益があったかといったことを主張していかないと,なかなか認められません。

2つ目が,「特別受益」です。
これは,親が他の兄弟に事業のための資金を出していたり,結婚の支度金を出していたのに,自分は何ももらわなかった…と言った場合です。この場合,他の兄弟と相続の割合が同じだったら,どう思うでしょう。おそらく大部分の人が納得いかないと思います。
これが「特別受益」で,相続財産の前渡とみなして,相続分から差し引いて計算することができます。ただし,扶養の範囲と考えられる学費などは,特別受益とは考えられません。
また生命保険も受取人の固有の財産なので,原則として特別受益としてはカウントされないことになっています。具体的にどんなものが特別受益に当たるのか,自分は法律的に不当な扱いを受けているのか…といったことが気になる方は,ぜひ専門家にご相談いただきたいと思います。

そして最後が,「遺留分」です。
たとえば,遺言書の内容が「全財産を長男に譲る」となっており,法律的に有効なものであれば,他の相続人は,1円たりとも相続できないことになります。
ただ,それは残される家族の生活を脅かす可能性もありますから,配偶者やほかの子どもに対して,法律で最低限保証される取り分があるわけです。これが「遺留分」で,相続財産を手にすることができます。遺言書の内容で,自分の取り分がゼロだとしても,それで諦めることはないわけです。
ただ遺言書は亡くなられた方の意思で,尊重すべきものなので,相続財産の全額が対象になるわけではありません。ケースによっても異なりますが,遺留分で請求できるのは,2分の1から3分の1と決まっています。また,兄弟姉妹には遺留分は認められていません。

本日は,「寄与分」「特別受益」そして「遺留分」についてお話ししましたが,いずれにしても,全てケース・バイ・ケースです。それぞれの相続によって,判断は変わってきます。
相続トラブルは,親族の死という悲しみが元で生まれてくる法律問題ですから,感情的な部分で揉めることが多いと思います。そんな相続人の気持ちに寄り添いながら,法律家としてお手伝いするのが弁護士です。相続についての悩みをお持ちの方は,ぜひ一度弁護士にご相談ください。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇415回テーマ
 「相続トラブル」編
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士