文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明代表弁護士が出演/339回 テーマ「相続 お世話になった人へ」編

2015年09月08日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

今朝の『くにまるジャパン』では,「相続 お世話になった人へ」というテーマでお話ししてきました。

最近のニュースで,去年亡くなられた高倉健さんが,亡くなる半年前に,お世話になった女性と養子縁組をしていたため,この方が財産を相続した,と伝えられました。
高倉さんは離婚された後,独身で,お子様もいらっしゃらなかったため,相続人はこの女性一人だったそうです。
法律上,養子になると,実の子どもと同じように相続することができます。仮に,養子縁組していなくても,高倉さんが「この女性に全財産を遺贈する」という遺言書を遺していれば,全てを受け取ることができました。
それでは,養子縁組しておらず,さらに遺言書がなかったら……。この女性は,「特別に縁があった者」,法律で言う「特別縁故者」として相続財産を受け取れる可能性があります。ただ,それにはかなりの手間がかかります。

まず家庭裁判所が「相続財産管理人」を選び,この選任したということを「公告」します。
そして,ここから2か月以内に相続人が明らかにならないと,次に,相続財産管理人が「債権者だったり,遺言があったりして,財産を受け取れるはずの人は申し出てください」と,2回目の公告を行ないます。
さらに2か月経過すると,相続財産管理人の請求により,家庭裁判所が相続人を探す呼びかけを行ないます。これが最後の3番目の「公告」で,6か月以内に相続人が現れないと,ようやく「特別縁故者」が「相続財産分与」を申し立てることができるようになります。
ここまで来ても,また高いハードルがあります。家庭裁判所に申し立てると,裁判所が,「故人との関わりの度合い」を調査し,財産を受け取れるかどうかを判断します。
故人が亡くなられて,最初の公告が行なわれてから,少なくとも10か月。「特別縁故者」が財産を受け取るまでには,かなりの時間と手間がかかることがお分かりいただけたと思います。

結婚してないけれど事実上の妻がいる方や,独身の方,あるいは,夫や妻に先立たれていて,子どもがいない方など,法律上は赤の他人であっても,身内以外のお世話になった方に,財産を遺したいケースは,いろいろ考えられます。
そのような方は,養子縁組まで行かないにしても,ぜひ遺言書を書いてください。それで財産の引継ぎがとてもスムーズに進みます。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇339回テーマ
 「相続 お世話になった人へ」編
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士