企業再生の事例

ある、地域密着型の中堅病院の話です。
50年前ほど前に創業されたこの病院は、業績がよく、地域で頼りにされていました。しかし、ここ数年は、累積赤字と度重なる保険点数改正による収益減少により、慢性的な資金繰り悪化に陥っていました。

負債総額15億円。地域から病院がなくなる?!

負債総額は、約15億円。そのうち約12億円は、銀行など金融機関に対するものであったため、金融機関からは、営業権の譲渡や競売の申立を迫られていました。

うちは患者さんも多いから、なんとかなるはずだ。それに、地域密着型の病院として、住民に必要とされている。病院をなくしたくはない。

経営陣はこう考えているものの、金融機関は帳簿上の話しかしません。このままでは地域から病院がなくなってしまう・・・困った病院経営陣は、弁護士に相談しました。

「再生可能ですよ」。弁護士の一言で、希望が見えた

弁護士が詳しく調べてみると、病院の業務内容自体は良好で、過大な借金で苦労している、ということがわかりました。債務を圧縮することにより、診療業務を継続していけると判断した弁護士は、経営陣に「再生可能ですよ」と伝えました。

これで病院を閉じなくて済むのだ。

経営陣にとってこの一言は、希望の一言となりました。
具体的にどのような方法で再生していくのかを話し合った結果、まず、人脈を通じてスポンサーとなる企業・病院を探し、地元にも訴え、融資してくれる人を広く求めました。すると、近隣で、規模拡大を考えている病院が見つかったのです。
同病院は、スポンサーとなる病院と業務提携契約を締結し、再生を図ることとなりました。

借金が大幅に圧縮、今では健全な経営に

弁護士が考えた再生の基本方針は、
1. スポンサー予定者が決まったプレパッケージ型の民事再生を申し立てる
2. 民事再生申立てと同時に、金融機関に対して担保権消滅請求を申し立て、スポンサー予定者に対する不動産売買代金をもって、金融機関に対する担保権を消滅させる

※プレパッケージ型の民事再生
民事再生法の適用を申請する前にスポンサーを決定し、それを申立てと同時に公表することによって、民事再生手続開始の申立てによるマイナスイメージを払拭し、従業員及び取引関係者の動揺を抑え、企業価値が毀損することを最小限に抑えることができる手法。

金融機関への担保権消滅請求が受理され、結果的に、12億円あった金融機関への負債が3億5000万円にまで圧縮。買掛金債務も、3億円から1500万円へ圧縮することができました。

借金さえなくなれば・・・長年、口癖のようになっていたが、どうすることもできなかった。相談前は、金融機関とのやり取りも専門外の分野なので苦労していたが、専門家が間に入ってくれ、本当に助けられた。

現在は、スポンサー病院に対して不動産賃料を支払いながら、地域密着の病院として、健全な経営を続けています。地域住民の福利厚生に貢献しており、非常に有意義な再建だったと考えています。病院は地元になくてはならないものであり、人との縁、いろんな人脈を活用して成功に導くことができました。

再生できたポイントは、収支バランスと人間関係

企業が民事再生できるポイントは、「借金を大幅に減らせば、営業が続けられる」ことと「人間関係」です。
収支バランスは問題ないのに、借金が多く、経営難になっている企業は多いのではないでしょうか。借金が減らせるなら、破産する必要はありません。経営者、従業員、債権者、いずれにとっても、会社が続くことがベストだと思います。

また、人間関係はとても重要です。
地域で長年、商売を続けてきた会社なら、万が一、経営難に陥ったとしても、取引先やお知り合いの方がスポンサーに名乗りを挙げることは、よくあることです。弁護士にご依頼いただければ、そのネットワークを通じてのスポンサー探しも可能です。

弁護士に相談して、本当に良かった。自分たちのネットワークには限界があるし、借金だけでなく心の負担も軽くなった。地域のためにも、病院を続けることができ、本当に感謝しています。

どんな会社でも再生の可能性はあります。
不振に陥った会社や事業を清算するのではなく、「良い部分に注目し、伸ばすことにより救う」といった取り組みで、 経営の健全性を回復することも可能です。会社の経営改善のために、少しでも早く専門家にご相談ください。