企業法務コラム

逗子海岸海の家 音楽規制の条例差止取り下げ 今夏来客半減で市も歩み寄り

「神奈川・逗子海水浴場の騒音問題を巡り、海の家事業主らでつくる「逗子海岸営業協同組合」が、営業時間や音楽を規制する逗子市の条例改正差し止めを求めた訴訟で」、組合側は11月19日に訴えを取下書を裁判所宛提出した。「逗子海水浴場では、若者を呼び込もうと大音量で音楽を流す海の家が出現、飲酒した客のトラブルも問題となった。」そのため、市はこれを規制する条例を制定し、今年3月から施行されていた。「条例には海の家以外での飲酒規制も盛り込まれ、今夏は家族連れが増えた一方、音楽や酒が目的の客が減った。」「組合は2月、営業妨害や表現の自由の侵害に当たるとして、条例改正の差し止めを求め提訴していた。」条例の影響で、「今夏の来客数は昨年の半分以下になった。」そのため「組合と市は今月、風紀を維持しながら客を増やす方策を協議していくことで合意し」、その結果条例が改正となった。

※参照
2014年11月21日 日本経済新聞 夕刊
海の家側、訴え取り下げ 逗子市の音楽規制巡り 来客半減「市と共に改善」

(評)
逗子海岸では、海の家がライブハウス化し、そのことで若者を引き付けていた。しかし、やんちゃな若者が押し寄せたため、近隣の住民から市に苦情が殺到。そのため市は「安全で快適な逗子海水浴場の確保に関する条例」を制定、入れ墨(和彫れではなく洋彫りでしょうね)で海岸に入っちゃダメとか、海の家で音楽を大音量で鳴らしてはダメということになった。因みに、かつてユーミンは、「SURF & SNOW」という名前で、夏は逗子マリーナ、冬は苗場スキー場で野外コンサートを開いていたが、騒音が大きいということで逗子ではできなくなったことが思い起こされる。
ただ、海岸は「安全で快適に」なったが、若者は来なくなった。「白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの田沼恋しき」と言ったところであろうか。今後、市は「経済」と「環境」の調和を図らなければならない。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2014年11月27日
法律事務所ホームワン