企業法務コラム

東京信用保証協会 保証料率20%引き特典始める

東京信用保証協会は、9月末までの期間限定ながら、保証料の値引きサービスを行う。
これまで10回以上、同協会へ保証申し込みがある中小企業や個人事業者が対象のため、「サンクステン特別保証制度」という名称となった。上限は3000万円、保証期間は運転資金が5年以内・設備資金が7年以内となる。保証協会の場合、保証料率は顧客の財務内容などによって9区分されるが、例えば中間の「5」と認定された事業者が5年の融資期間で3000万円を均等分割返済で借りる場合、通常約95万円の保証料が、新制度では約76万円となる。

※参照
2014年4月2日 日本経済新聞

(評)
新聞記事にはあったが、東京都信用保証協会のホームページには紹介がないため、同協会に電話して聞いてみた。全ての事業者を対象としている訳ではないため、ホームページでは紹介しなかったということらしい。
期間限定の理由は、同記事によれば「消費税増税対策」ということらしい。
サンクステンのサンクスはThanks(ありがとう)、テンはTen(10)ということだろう。保証協会っぽくないネーミングだ。
ところで上記記事の分中にある9区分について説明したい。これはCRD(Credit Risk Databaseの略)といって、CRD協会という官製団体が作った、中小企業の業績をスコアリング=格付けするためのデータベースのことである。
CRDには、180万社の法人の経営データが蓄積されている。ただし、CRDの経営データの利用は金融機関に限られているため、一般の中小企業がデータを利用することはできない。
以前、信用保証協会の保証料は一律で固定していた。しかし、2006年4月1日から中小企業の経営状況を踏まえた料率に改正されている。格付けのトップは年0.5%、一番低い格付けだと年2.2%と9段階の料率になっており、平均的には1.35%となる。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2014年04月11日
法律事務所ホームワン