企業法務コラム

小規模事業者の相談が大幅増加

12月10日付の東商新聞は、東京都中小企業再生支援協議会(東京商工会議所に設置されている)の本年度上半期の相談状況を次の通り公表した。
小規模事業者の相談件数が大幅に増加している。
窓口相談(1次対応)件数は、250件。前年同期比56%増と、大幅に増加した。
金融機関からの事前相談・紹介案件は、335件(前年同期比126%増)と2倍以上の大幅増加。
特に信用金庫からの持ち込み案件は、平成25年度上半期で204件と、既に平成24年度通年実績の199件を上回っている。
1次対応企業の売上高割合は、「1億円以下」が39%(前年度24%)、従業員別割合でも、「1~10人以下」が63%(同41%)と、小規模事業者の相談が増加している。

※参照
2013年12月10日 東商新聞
「小規模事業者の相談数大幅増」

(評)
中小企業再生支援協議会は、各件毎に設置されている。多くが商工会議所の中に設置されており、東京も東京商工会議所内に設置されている。銀行への支払いに苦しんでいる中小企業からの相談を受け、場合によっては銀行とのリスケジュール協議を手助けしてくれる存在だ。相談担当者は金融機関出身者が多い。1回あたり1時間ほど相談にのってくれ(1次対応)、銀行への返済についてリスケジュールの必要性があり、かつ、それが十分可能と考えられるケースについては、相談員自身が、金融機関と相談企業の間に入って、協議を仲介してくれる。
以前は、私的整理ガイドラインに沿って、資産や事業の可能性について詳細なデューデリを行っていたため、その費用だけで何百万円とかかるため、中小企業の利用が進まなかった。現在は厳密なデューデリを行わない簡素型手続きが行われるようになり、中小企業にも十分利用可能な制度になって来た。
また以前は企業が相談に来るケースが多かったが、最近は金融機関が融資先のリスケジュールの相談に持ち込むケースが多くなっている。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2013年12月13日
法律事務所ホームワン