企業法務コラム

自動車緊急脱出ハンマーを国民生活センターが性能テスト

自動車用緊急脱出ハンマーというものをご存じか。交通事故や水没事故などで車内に閉じ込められたときに、ウインドーガラスを割って車外に緊急脱出するために使用する商品だ。金づちのように振り上げて使うもの、アイスピックのようにして使うもの、ガラスに押し当てたままパンチの要に打ち抜くものとかがある。
国民生活センターが、平成25年11月7日に発表したところによると、同センターは、15社19銘柄について、実際にウインドーガラスを割ることができるか性能をテストしたところ、以下の銘柄は3回やっても割れなかったという。

 エコー金属㈱・緊急用ハンマー・105円
 旭電機化成㈱・車脱出用ハンマーADH-01・990円
 ㈱大創産業・自動車窓ガラス用緊急脱出ハンマーCARN0.271・105円
 コーナン商事㈱・セーフティハンマーHKCSH05・980円
 ㈱ジョイフル・セーフティハンマーYP777・998円

※参照
平成25年11月7日 独立行政法人 国民生活センター
自動車用緊急脱出ハンマーのガラス破砕性能

(評)
使用するまで製品の性能がわからない、使用する段になってガラスが割れないでは装備しておく意味がないし、危険極まりない。南海トラフ地震等による津波が心配される昨今、緊急脱出ハンマーの安全規格・安全基準作りは必要だろう。
注意してほしいのは、窓のところに水が来る前に割ること、水が来てから割ると水が一気に車内に侵入し、車の沈没速度が一気に速まり、脱出できなくなる。それからフロントグラスは、交通事故時の人体損傷を防ぐため、ハンマーでは割れない。ウィンドーガラスを割るようにすること。
ちゃんとガラスが割れたのは皆1000円以上の商品だった。安物買いの銭失いくらいならいいが、安物買いの生命失いになったら大変だ。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2013年11月08日
法律事務所ホームワン