企業法務コラム

公取委、外食事業者の優越的地位の濫用についての実態調査を発表

公正取引委員会は、5月27日、「外食事業者と納入業者との取引に関する実態調査報告書」を発表した。
独禁法は、優越的地位の濫用を禁止している。違反があれば排除命令、課徴金納付命令が下される。
外食事業者が納入業者との取引において、優越的地位を濫用している実態がないかを調べるのが今回の調査の目的だった。

※参考
公正取引委員会ホームページ
(平成25年5月27日)外食事業者と納入業者との取引に関する実態調査報告書(概要)http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h25/may/130527_01.html

(評)
濫用例として多かったのが、おせち料理の購入
●例えばある例。以前は社長名による文書で購入を要請されていたが,そのような行為は問題となると思ったのか,現在は仕入部門の担当者から口頭で要請される。要請に際しては「購入を断るのであれば取引を見直す。」といったような言い方をされるため,仕方なくおせち料理セットを10個程度計25万円程度を購入している。
●中には、要請に際しては,「購入しなければ取引を打ち切る。」といったような直接的な言い方はしないものの,「毎年,買ってもらっているからね。」とか「他にも業者がいるからね。」といったように,暗に購入しなければならないような言い方で要請されるため,毎年購入している。
●さらに「去年は何セット買いましたよね」と、ちゃんと何個購入したかをチェックしているため、前年実績以下では買えないという例もある。また、店舗オープン時の濫用例も目立つ。
●新店舗オープン後一定期間は商品を0円で納入するよう要請があった。
●オープン初日だけ従業員を応援に出すよう求められ、結局1週間派遣させられた。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2013年06月04日
法律事務所ホームワン