企業法務コラム

黒田次期日銀総裁 やれることは何でもやる

次期日銀総裁候補の黒田東彦氏は、3月4日、衆院の議院運営委員会で所信表明を行った。黒田氏は所信表明で「物価安定は中央銀行の責務」としつつ、日銀の「資産買い入れの対象や規模は2%の物価目標達成には不十分」と述べた。また「2%の物価目標を一日も早く達成するのが総裁の使命」とし、「達成に向けやれることは何でもやる」との所信を表明した。

※参照
2013年3月4日 ロイター
「2%目標の早期達成が日銀総裁の使命、やれることは何でもやる=黒田氏」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92300F20130304

(評)
近々、白川方明さんという優等生的日銀総裁も退任し、黒田東彦さんという暴れん坊が日銀総裁に就任する。
世界が金融緩和を競い、バズーカ砲を打ち合っているさなか、白川さんというガリ弁優等生が「暴力はいけません」とばかり、ピストルを撃つだけだった。結果、日本が一人負け。円高が進み、為替操作にいそしむ中韓の台頭を許した。ことの元凶は民主党の無能に行き着く。財務省OBの総裁就任には反対という理由で、元財務相事務次官の武藤敏郎さんの総裁就任に反対し、結果、日銀プロパーの白川さんが日銀総裁に就任した。
歴史に「もしも」はないが、もしも武藤さんが総裁になっていたら、日銀もバズーカ砲を撃っていたに違いない。
黒川さんは財務省出身だが、財務省の中で日銀批判の急先鋒だった人で、積極的な金融緩和が期待される。同氏はアジア開発銀行総裁も務める国際派。日銀が金融緩和を進めれば、諸外国から円安誘導批判の声が高くなるが、世界に向けた発信力もある。
こうした点は、国内政治の調整を得意としてきた武藤さんより適任だろう。現在は、政権と同じ方向を向いているので、後ろから弾がとんでくることはない、各国政府の通貨マフィアと渡り合う資質のほうが重要だ。その意味で黒田さんは適任だろう。
さらに、リフレ派の急先鋒である岩田規久男学習院大学教授も副総裁に就任。脇も固まった。是非、やれることを何でもやってほしい。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2013年03月08日
法律事務所ホームワン