企業法務コラム

金融庁、金融機関に対し、中小への年末融資の配慮要請

金融庁は27日、全国銀行協会など各金融機関団体に対し、年末の資金繰りが懸念される中小企業に配慮した融資を実行するよう要請した。中塚一宏金融担当相は同日開いた金融団体との意見交換会で、中小企業金融円滑化法の期限である2013年3月以降も融資条件の変更要請に積極的に応じるよう求めた。
全国銀行協会の佐藤康博会長(みずほフィナンシャルグループ社長)は意見交換会で「企業の資金需要に円滑に対応することが金融機関に求められている」と指摘した。その上で「全銀協の各行は、円滑化法の期限到来後も丁寧に対応することを申し合わせている」とし、中小に配慮した融資姿勢を継続する方針を示した。

※参考
2012年11月28日 中小企業基盤整備機構 J-net21
「年末融資、中小に配慮を-金融庁、金融機関に要請」
http://j-net21.smrj.go.jp/watch/news_tyus/entry/20121128-11.html

(評)
金融円滑化法終了を間近に控え、出口戦略が議論されている。要は残すべき企業は残し、潰すべき企業はつぶすということだ。
しかし、残ってほしい中小企業も、自力で経営改善計画を策定、実行する力がない。その足らざる部分を、銀行にコンサルティング機能を発揮してもらい、中小企業の経営改善の推進力になってもらおうというのが一つ。
そして、もう一つは、破たん企業、破たん懸念企業について、破産申立を進めるため、弁護士の受け入れ体制を整備していくのがもう一つである。しかし、その両方とも、間に合う様子がない。そのため、第三の道として、実質的に金融円滑化法的な対応を銀行に続けさせようという方策も考え始めたということだろう。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2012年12月05日
法律事務所ホームワン