企業法務コラム

≪注目メモ≫日銀、動産担保融資支援のための低利融資。2回目は175億円

日銀は11月30日、在庫などの動産を担保とする融資(ABL)や出資を支援するための低利融資制度の第2回目の貸し付け予定額が175億円、貸付先の金融機関数は9先になる予定。9月に実行された初回分と合わせて残高ベースで527.5億円、貸付先数は22先になる。貸付は12月7日に実行する。
第1回、第2回貸付527.5億円のうち訳だが、ABL向けが502億円と全体の9割超を占める。担保の内訳は、工場関連設備や船舶などが186億円、売掛金が117億円、食肉や海産物など製品・商品が111億円、金属類や家畜など原材料が83億円となっている。
ABLは企業が保有する在庫や機械設備、売掛債権などを担保とする融資手法で、不動産などの固定資産が少ない中小企業にとって、新たな資金調達手段として注目されている。日銀は6月の金融政策決定会合で、有望な産業分野に投融資する金融機関向けの低利融資制度である成長基盤強化支援について、ABLなどの普及を目的に総額5000億円の新たな貸付枠の設定を決めた。貸付枠の5000億円には相当の余裕があり、日銀は、期限である来年6月末までにさらに2回の実行を予定している。取り扱い金融機関数が着実に増えるなどABL普及の呼び水になっている。
3兆円を貸付枠としている従来からの成長基盤支援の低利融資制度も、第6回目の新規融資を12月7日に実施する。同制度はすでに上限の3兆円に達しており、新規貸付の原資には、これまでの貸付の返済分などが充てられる。このため、第6回目は、借り入れ希望額2946億円に対し、1629億円が実行される予定。

(代表弁護士:山田冬樹)

※参考
ロイター
2011年11月30日「ABL支援融資の第2回貸付は175億円=日銀の成長支援制度」

2011年12月07日
法律事務所ホームワン