企業法務コラム

≪注目メモ≫オリンパス問題

経営混乱が続くオリンパスの株式を約5%所有する大株主の米投資会社、サウスイースタン・アセット・マネジメントは31日、オリンパスによる過去の企業買収について、第三者の監査法人による詳細な監査・調査などを求めた10月20日付の質問状を公開した。
質問状は、オリンパスが企業買収で助言会社に支払った手数料について「業界標準の何倍もの支払いを正当化することはできず、取締役会全体の信頼性が損なわれる」と指摘し、詳細な情報の開示を求めている。
サ社は、取締役会の議事録の閲覧なども求めたが、「オリンパス側が拒否している」として、会社法に基づき、強制的な議事録の開示請求を行う可能性もあるとしている。

参考
読売新聞 2011年10月31日
「オリンパスの米大株主、詳細な情報開示要求」

会社法371条に基づき、株主は原則としていつでも議事録等の閲覧・謄写を会社に請求できるが、オリンパスのような監査役設置会社の場合には裁判所の許可を得た場合にのみ、株主は閲覧・謄写請求を行うことができる。商事非訟事件として、審問手続きのなかで、株主側は閲覧・謄写の必要性を疎明し、会社側も取締役会議事録が開示されることで会社に著しい損害が生じることを疎明することになる。

(代表弁護士・山田冬樹)

その他関連
毎日新聞 2011年11月8日
「オリンパス:損失隠し、買収資金で穴埋め 90年代から」

日経ビジネスオンライン 2011年11月8日
「オリンパス、なお残る疑問と謎」

2011年11月14日
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